同僚「親に礼儀教わってこい」私「親ならそこにいます」→名刺の肩書きを見て固まる

       
体験談
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同僚「親に礼儀教わってこい」私「親ならそこにいます」→名刺の肩書きを見て固まる 体験談

朝いちばん、仕分けの伝票を並べていると、背後で笑い声がした。
「パートは気楽でいいよな。ほら、これもやっといて」

声の主は、同じ部署の正社員。私より年下だけど、入社は早い。
振り返らずに「分かりました」とだけ返す。周りの視線が一瞬こちらに向いた。

今日に限って、来客スペースのハンガーに見慣れたコートが掛かっている。よりによってこの日に、と頭の隅でつぶやいた。

「パートは楽でいいね?」が口ぐせ

午前の入荷予定を入力していると、また背後から。
「パートって最高だよな。責任ないし」

それ、何度目だろう。担当表は私の机にも貼ってあり、私が受け持つ便の期限も、みんなと同じだけある。楽じゃないことは、現場の誰もが知っているはずだ。

「このラベル分、急ぎで仕上げて。パートの方が手が早いし」

雑務を振るのは仕事のうち。でも、言い方一つで意味が変わる。
私は黙って受け取り、手順通りに片づけた。

「新人の前では見本になれよ」

昼前、見学に来ていた新卒内定者が通った。彼は急に胸を張る。
「パートさんはミスしがちだから、チェックは俺がやる」

近くの先輩パートが小さく眉を寄せた。内定者の子が困った顔をして、会釈して去っていく。彼は、誰かを下げないと自分が立てられないらしい。

それでも私は、今日の午後に予定があるのを思い出して、時計を見た。

「親に礼儀教わってこい」と来た

午後イチ。来客スペースで、ダークグレーのスーツの女性が資料をめくっていた。私のスマホには「着いたよ」の短いメッセージ。返信は「会議室の時間まで、そこで待ってて」。

この春、グループ人事の責任者として着任したのは、私の母だ。姓が違うし、私も言っていない。職場で家の話をしたくなくて、ずっと伏せていた。

そこへ、例の彼が通りかかる。
「おい、伝票より先に俺の荷物登録して。順番、わかる?」
「担当表の順で進めてます。登録はあと3分で終わります」
「反抗か? 親の顔が見てみたいな。礼儀、教わってこいよ」

私は手を止めて顔を上げた。

「親ならそこに」と指さす

「親なら、そこにいます」

来客スペースを指すと、彼はつられて振り返った。コートの主が立ち上がる。彼女は私を見て、軽くうなずいた。

「失礼します。グループ人事の担当です。現場の雰囲気を見に来ています。こちら、上長の方はいらっしゃいますか?」

彼は名札に触れて、視線を泳がせた。
「え、あの……」

私は内線で課長を呼んだ。人事の訪問予定は共有されていたし、会議室の予約も課長が取っている。

課長「その口の利き方は何だ」

会議室。課長が入ってくると、母は名刺を差し出した。
「さきほどのやりとり、確認させてください。現場の言葉づかいも含めて、今日はヒアリングを予定しています」

課長がこちらを見る。「何があった?」
私は、いつ、どこで、何を言われたかを順に伝えた。隣で先輩パートも「前から同じ言い方をされています」と一言添えた。

同僚は腕を組んでいたけれど、課長が低い声で言う。
「その口の利き方は何だ。社内の区別じゃなくて、役割の違いだろ。今日のこれだけじゃないなら、改めてもらう」

母は必要以上に踏み込まず、「再発防止の取り組みは私どもでも支援します」とだけ言った。

指導と謝罪「以後、やめます」

面談のあと、同僚が私の机に来た。
「さっきは悪かった。以後、そういう言い方はやめます」

形式だけの謝罪に聞こえたかもしれない。でも、その後の彼の態度が答えだ。

課長は部署に向けて「言葉づかいと業務分担の基本」を改めて伝えた。翌週、短い研修も行われ、役職や雇用形態に関わらず、連携のルールが見直された。

その後、仕事が仕事に戻った

あれから、彼からのマウントは消えた。内定者が来る日も、誰かを落とす発言は出なかった。忙しい時間帯に余計な力を使わずに済むって、こんなに違うんだと実感する。

母は予定通り、別の拠点へ向かった。私は普段通りにラベルを打ち、伝票を束ね、トラックの出発に間に合わせる。顔を上げれば、誰もが同じ方向を見て動いている。

家に帰って、母から「現場はよく頑張ってるね」とだけメッセージが来た。私は「うちの部署、ちゃんと回ってるよ」と返した。

さいごに

立場で人を測る言葉は、働く人の気持ちを傷つけますね。肩書きが出てきた途端に態度が変わるのも、どこかで見た光景かもしれません。
職場は役割の違いがあるだけ。だれの仕事も必要です。
あなたなら、見下すようなことを言われたとき、その場で返しますか。それとも責任者に相談しますか?

※本記事は、実際の体験談をもとに作成しています。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

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