上司「家庭持ちは気が利くね♪」→私「当番にしましょう」その後、職場はどう変わったか

       
体験談
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上司「家庭持ちは気が利くね♪」→私「当番にしましょう」その後、職場はどう変わったか 体験談

朝の会議前、私は議題より湯のみの数を数えていた。
「あと二つ出しておくね」
上司は何も言わず、当たり前のように私の横を通り過ぎる。

ここ数カ月、来客のお茶や片付け、備品の発注まで、気づけば私がやる流れになっていた。
最初は「たまたま私が近くにいたから」だと思った。でも会議のたびに「助かるよ、家庭持ちは気が利くね」と笑われ、そのたびに胸の奥がちくりとした。

上司「家庭持ちは気が利くね」

最初の違和感は、取引先との打ち合わせの日。
上司が私だけを見て、「お茶、お願いね。あと終わったら片付けも」と言った。

会議は私の担当案件でもある。資料の質問を受ける側だ。
「終わったらすぐ戻ります」と言って席を立ったけれど、戻った頃には最初の質疑が進んでいた。発言のタイミングを逃した。

打ち合わせ後、上司は笑顔で「やっぱり家庭持ちは段取りが早い」と肩を叩いた。
家で鍋を洗っている時も、「なんで私だけがやる決まりみたいになってるの」と考えてしまった。独身の宮下さんや、子どものいない佐伯さんには一度もお茶の用意が回ってこない。家庭があるかどうかで仕事が増えるのは、おかしな話だと思った。

「お茶、ついでに片付けも」が口ぐせに

それから、口ぐせは増えた。
「今日も来客あるから、お茶セットお願い」
「コピー機の紙、もう直しといて」
「備品、無くなる前に発注かけといてね」

気づけば、午前の1時間が丸ごと雑務で埋まる日がある。備品発注は月末のチェックもあり、地味に時間がかかる。
同僚の佐伯さん(子育て中の先輩社員)が「手伝おうか?」と声をかけてくれることもあったけど、指示は私宛てに飛んでくるから、結局私のタスクとして処理してしまう。

ある日、ふとストップウオッチを机に置いた。何分かかっているのか、ざっくりでも把握したかったからだ。来客のお茶と後片付けで15分、会議前の準備で10分、備品チェックと発注で30分。週にすると3時間近い。
「これ、私の本来の仕事にのっかってるんだよね」
数字を書き出してみて、自分が何にひっかかっていたのか、やっとはっきりした。これは好意の範囲を超えて、仕事の量として変わっている。

「当番にしませんか」昼休みに切り出した

次の週、私は昼休みに上司とチーム全員の予定を押さえた。
「10分だけ、雑務の分担を決めたいです」

会議室に入ると、全員が揃った。上司、私、佐伯さん、年下の宮下さん。
私はメモをテーブルに置いた。先週の来客対応と片付け、備品のチェックにかかった時間を書いたものだ。

「こういう雑務、いま私がやってます。週でおよそ3時間でした。業務の合間にやってますが、私の担当案件の時間が押すことが増えました」
上司は腕を組んで聞いている。
「提案があります。週替わりの当番制にしませんか。お茶は『その会議の担当者が用意』を基本にして、当番は共通の片付けや備品チェックを受け持つ。来客の多い週は、当番以外から一人サポートをつける」

佐伯さんが「私は賛成。固定になると偏るよね」と言い、宮下さんも「当番表あれば動きやすいです」とうなずいた。
私は続けた。
「『家庭持ちは気が利く』って言ってもらえるのはありがたいです。でも、それを理由に役割を決められるのは違うと思ってます。ここは職場なので、仕事として決めたいです」

上司「配慮が足りなかった」

上司は一度言いよどみ、口を開いた。
「そうか。悪い、配慮が足りなかった。助かってたのは事実だけど、決まりみたいにしてしまったな」

その場でホワイトボードが壁から外され、上司がペンを取った。
「当番表、作ろう。週替わりで……順番はこれでいいかな」
「来客対応は担当者が用意、片付けは当番。備品チェックは金曜に当番が実施。発注の判断はチーム全員で共有」

ルールが書き込まれていく。
「今日からはこの通りにしよう。もし運用してみて不備があれば、また直そう」

帰り際、上司が私に小さく言った。
「『家庭持ちは』って言い方も、もうやめる。気をつける」
私は「お願いします」とだけ返した。

それからの毎日と、小さな変化

翌週から当番が回り始めた。
当番の週は片付けの合図を出すのが自分の役。会議の担当は自分でお茶の段取りをする。業務の合間に15分だけ空けて動けば回ると、みんなが体で理解していった。

私の午後には、以前より30分くらい自由に使える時間ができた。その時間を自分の案件の資料作りに回せるようになって、進み方が目に見えて早くなった。

上司は以前より、会議前に「今日のお茶は担当誰だっけ」と確認するようになった。佐伯さんは「終わったら私、洗い物持っていくよ」と当番じゃない週でも声をかけてくれる。宮下さんは備品置き場の在庫表を新しく作り直してくれた。

私一人の仕事だったものが、チームで順番に回す仕組みに変わった。それだけで、毎日の気の張り方がずいぶん違う。

さいごに

偏りは、悪気のない一言から始まることがあります。今回の職場も、決まりがないまま慣れで固まっていましたね。
同じもやもや、心当たりはありませんか。数字や手順を見える形にして話すと、案外すっと動くことも。
あなたなら、まず何をしますか?

※本記事は、実際の体験談をもとに作成しています。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

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