元同級生「庶民は帰りなよ♡」私「予約名は友人の名で」→支配人の確認で入店不可の結果

       
体験談
※本記事はSHUFUFUが独自に制作したコンテンツです。また、本記事内に広告を含む場合があります。
元同級生「庶民は帰りなよ♡」私「予約名は友人の名で」→支配人の確認で入店不可の結果 体験談

小さなごほうびに、会員制のフレンチで友人と食事の約束をした。入口の前で順番を待っていると、背後から名前を呼ばれる。

振り向くと、同じ中学の元同級生・彩香。久々の再会なのに、笑顔の代わりに刺さるひと言を用意していた。

この店は、会員が事前に同伴者の氏名を報告する決まり。いわゆる「招待」は、その登録のことだと事前に説明を受けていた。

「庶民は帰りなよ♡」受付前で

「え、ここ来るの? 庶民は帰りなよ♡」

彼女の隣には、年上の男性。スーツに高そうな時計。彩香は腕に絡みつき、こちらを見る目が上からだ。

「今日は会員さんに招待されてるから」と私が答えると、彩香は鼻で笑った。

「へぇ。私もよ。名前、言ってあるから先に通して?」

受付のスタッフに向かって、彼女は当然のように言う。けれど、スタッフは予約帳を見て首をかしげた。「少々お待ちください。担当を呼びます」

その言い方に、胸のどこかがひっかかった。会員制の店は厳しいと聞いていた。彩香の「承認済み」という表現が、やけに軽い。誰の名前なのかも言わない。

「私は承認済み、先に通して」

「ね、先に通して。こっちは時間ないの。店長さんに名前言ってあるから」

彩香は一歩前に出て、受付の前に体をすべり込ませた。男性は腕時計を見て眉を上げる。

私は列を譲らず、スマホで招待してくれた友人・沙織さんからのメッセージを確認した。「受付で私の名前を伝えて、○○(私)の身分証もお願いね」。そう書いてある。

「私は、会員の◯◯沙織さんの同伴で予約しています。身分証もあります」

そう伝えて財布から免許証を出すと、スタッフは安心した表情でうなずいた。

横で彩香が私を見て、舌打ちを小さく漏らす。「いいなぁ、庶民にしては運がいいじゃん。ね、あんたの同伴に混ぜて。どうせ1人分くらい増えてもいいでしょ?」

「それはできないよ。ルールがあるから」

「ケチ。だから庶民は――」

言いかけたところで、奥から支配人が現れた。

支配人「同伴は事前登録のみ」

黒いジャケットに名札を付けた支配人が、予約帳とタブレットを手に受付へ来る。

「お待たせいたしました。本日は、会員ご本人様、もしくは会員様が事前にお名前をお届け済みの同伴者様のみご案内しております」

彩香が食い気味に言う。「だから、その会員さんに名前を伝えてもらってるの。私は承認済み。先に通して」

支配人はタブレットを確認した。「本日の同伴者リストに、◯◯彩香様のお名前はございません。ご一緒の方のお名前も、事前登録では確認できません」

男性が口を開く。「承認が要るなら、今日は無理だね」

彩香は口紅の色を気にするふりをして、支配人に食い下がる。「ちゃんと確認してよ」

「当日予約は、空きがある限り承っております。今は満席ですが、ご本人から当店にご連絡いただき、同伴者登録をいただければ本日は19時半からのご案内が可能です」

「19時半からは無理だな」男性が肩をすくめた。

支配人は私の方へ視線を移す。「◯◯沙織様の同伴で、△△(私の名字)様。ご本人確認をお願いいたします」

免許証を見せると、支配人は予約帳に印を付けた。「ありがとうございます。お連れの方は後ほど

「はい、店内で待ち合わせです」

「未登録です。ご案内できません」

「ねぇ、私の方を先にしてよ。こっちは大事な人なんだから」

彩香が声を強める。支配人は同じ調子で告げる。「本日はそちらのお二人とも事前登録がございません。申し訳ございませんが、ご案内できません」

男性は手にした名刺入れを戻し、彩香から半歩離れた。「別の店にしよう。こういうの、困るよ」

彩香は私の腕をつかみかけて、引っ込めた。「ほんとに一緒に入れてくれないの?」

「ごめんね。私の招待者に迷惑がかかるから」

支配人が私に会釈する。「△△様、準備が整いました。ご案内いたします」

私は店内へ通された。白いクロス、静かな音楽。ほどなく沙織さんが到着し、前菜が運ばれてきたところで事情を話すと、「受付で少し見えたよ。大変だったね」と笑って、ワイングラスを軽く合わせてくれた。

食事の終わりに、沙織さんの知り合いからメッセージが入った。会員仲間の北条さんという男性で、「最近、僕の名前を勝手に使う人がいるらしく、店から『事前登録がない限り案内しない』と連絡が来た」と。沙織さんは「それ、たぶん私の同級生」と事情を伝えた。北条さんは「次からは断る。店にも伝えておく」と返信してきたという。

このやり取りで、彩香の「名前を言ってある」の意味がつながった。誰かの名前を借りたつもりでも、登録がなければ入れない。

元同級生の連絡「紹介してよ」

数日後、クラスのグループLINEから個別に彩香のメッセージが来た。「この前はごめん。あのさ、会員さん紹介してよ。」

言葉遣いはやけに柔らかい。けれど、あの受付での態度が消えるわけじゃない。

「ごめんね。会員さんに迷惑をかけられないし、私には紹介できないよ。お店のルールもあるし、私たちも守らないと」

送ると、既読は付いたが返事はなかった。

その後、彩香が別の会員にも頼み込んだけれど断られたと、また沙織さん経由で耳に入った。同伴の話は、断られればそこで終わり。会員制はそういう世界だ。

私はというと、沙織さんのおかげで、月に一度の小さな楽しみが増えた。入口の前で一拍おいて、予約名を伝え、身分証を出す。ルールを知っていれば、あの場所は肩ひじ張らずに楽しめる。

彩香とは、それきり連絡を取っていない。クラスのタイムラインに流れる近況だけ、遠目に眺めるくらいで十分だと思った。

さいごに

見栄で押し切ろうとする相手には、店の決まりが強い味方になります。会員制の場は、とくにルールが先に立ちます。

友だちにマウントを取られて、いやな思いをした経験はありませんか。そんなときは、無理に合わせず、決まりに寄りかかってもいいのだと思います。

あなたなら、受付で同じことを言われたら、どう断りますか?

※本記事は、実際の体験談をもとに作成しています。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

コメント

タイトルとURLをコピーしました