店長「今月は無給で来て」退職を伝えた同僚。返ってきた2行に店全員がざわついた

       
体験談
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店長「今月は無給で来て」退職を伝えた同僚。返ってきた2行に店全員がざわついた 体験談

レジの合間、同僚のスマホを見た。肩越しに覗くと、店のチャットのグループに「今月末で退職します」と打ち込んでいる。ずっと悩んでいたのを知っていたから、私は横で静かに見守った。

返事はすぐ来た。ただ、その2行で、私は動きが止まった。

「じゃあ今月は無給で出勤ね」「代わりを自分で連れてきて」

相手は店長。売り場のBGMがやけに聞こえる気がした。

「今月は無給で出勤ね」の二行

同僚は震える指で打ち返した。「無給は困ります。就業規則にありますか?」

店長は「非常時だから最後くらい妥協して。そのくらいわかるでしょ?」とまた2行。既読は店の全員に付いている。つまり、みんながこのやり取りを見ている。

私は同僚に小声で言った。「このまま言いなりになったら危ないよ。画面を保存しておこう」

私たちの店舗には「相談窓口」のポスターが貼ってある。入社時にもらった書類にも連絡先があったはずだ。売り場の裏に戻って、同僚はファイルから番号を探し、保存した画面を転送できるよう準備した。

「代わりは自分で連れてきて」

夕方、バックヤードに呼ばれた。同僚と私、そして店長。

「退職は止めない。でも今月はタダで来て」

「代わりは?」

「自分で連れてきて。友だちとか」

私は口を開いた。「採用は本社の手続きですよね。友だちを連れてくるのは無理です」

店長は腕を組み、「じゃあ人が集まるまで出て」と押してくる。

同僚はレシート袋を握りしめ、「すみません。やっぱり窓口に相談します」と言った。

「好きにして。ただ、その間は休んだ分は罰金ね」

言い切られたので、私たちはその場で社用スマホから相談窓口に電話した。担当者は女性の落ち着いた声で、日時・やり取りの内容・関係者の名前を順に確認し、「その画面の画像をメールで送れますか」と依頼。私が店の代表メールを開き、保存した画像を送信した。

「ありがとうございます。明日、エリアマネージャーがそちらに行く予定があるので、人事担当と同席して状況を伺います」

「その指示、規定にありません」

翌日、スーツ姿の人事担当とエリアマネージャーが来た。開店前、事務所で4人。印刷されたチャットの紙と、就業規則の該当ページがテーブルに置かれた。

人事担当が最初に口を開いた。「この2行、『無給で来て』『代わりを自分で連れてきて』。いずれも就業規則・採用手順に存在しません。無給の出勤指示は認められません」

店長は「人がいないんです。非常事態で…代わりがいないと困るのもこっちでしょ?」と反論する。

エリアマネージャーが月間のシフト表を指さした。「人手の調整は管理職の仕事です。だから管理手当を支払っています。無給の指示はできませんし、採用は現場の独断では進めません」

人事担当が続けた。「同僚さんの退職の意志は確認しました。今日が最終出勤でいいですよ。体調にも配慮してください」

同僚の目が赤くなった。店長は「ちょっと言い方が強かっただけで…」と言いよどむ。

人事担当は紙を閉じ、「この文面自体が不適切です。別途、管理者としての指導を行います」とだけ告げた。

「引き継ぎは無給で当然?」の言い訳

昼、エリアマネージャーが売り場を回り、社員ミーティングが開かれた。

店長は会議室に残され、長い説明を受けていた。夕方、掲示板に本社からの通達が貼られた。「当面、店長職から外し、別業務に就く」。

次の日から、近隣店舗の店長が兼務で来た。レジのトラブル対応も早く、シフトの調整もその日のうちに直った。店舗のグループチャットは、連絡と報告だけになり、あの2行のような命令は消えた。

新しい店長と回る売り場

同僚はその日のうちに退職手続きが進んだ。退職日までの給料が反映された給与明細が自宅に届いたと連絡をくれた。「ちゃんと払われた。助かった」とメッセージに書いてあった。

元の店長はしばらく本部倉庫の応援に回ると聞いた。本人も「現場の声、勉強してくる」とだけ言って引き継ぎを済ませた。

私はというと、変わったのは空気だけじゃない。休憩の時間がちゃんと守られ、残業の申請も通るようになった。あのとき同僚が一人で言いたいことを飲み込んでいたら、たぶん今も無理が続いていた。

売り場を拭きながら、私はチャットの画面を思い出す。無茶な2行は、2行のまま止まった。止める窓口があり、言うべき人に伝えたからだ。

さいごに

非常識な2行に、現場が振り回されることはあります。けれど、窓口や人事という受け皿があるだけで、救われる場面も多いもの。もし似た文面を見たら、ひとりで抱え込まないで。誰にどう伝えるか、今から決めておくと心が軽くなるかもしれませんね。

※本記事は、実際の体験談をもとに作成しています。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

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