産後6ヶ月が経ち、ようやくジムに入会した。
「自分を取り戻したい」という気持ちと、漠然とした焦りが一緒くたになっていた頃のことだ。
担当になったのは、20代後半の爽やかなインストラクター。いかにも「健康のプロ」という雰囲気で、笑顔が絶えない人だった。
「産後だから限界がある」の繰り返し
最初のカウンセリングで目標を話すと、彼はこう言った。
「産後の体型なんてこんなもんですよ。ホルモンバランスもあるし、あまり高い目標を持ちすぎないほうがいいです(笑)」
笑いながら言うから、悪気がないのはわかった。
でも——なんか、しんどい。
その後のトレーニングでも、似たような言葉は続いた。「産後だから仕方ない」「まずは現状維持で十分」「無理しない範囲で」。
言葉のひとつひとつは、正しいのかもしれない。でも回数を重ねるごとに、じわじわと何かが削られていく感覚があった。
「頑張っても無駄」みたいに聞こえてしまう
彼の言葉は、たぶん優しさから来ている。
無理させたくない、傷つけたくない——そういう配慮なのだと、頭ではわかっている。
でも受け取る側の私には、「あなたには期待していません」と言われているように響いた。
ある日、鏡の前でフォームを確認しながら、ふと思った。
——私、何を証明したくてここに来てるんだろう。
インストラクターに「すごい」と言わせたいのか。産前の体型に戻って、誰かを見返したいのか。それとも、本当に自分のために動きたいのか。
「誰かの評価」を意識していた、と気づいたとき
正直に言うと、最初の動機はぐちゃぐちゃだった。
「産後太りを早く解消しなきゃ」という焦り。
「ちゃんとケアしてる自分」を確認したい気持ち。
「産後でもここまでできる」と誰かに証明したい欲。
彼の「産後だから限界がある」という言葉が刺さったのは、私がその言葉に反発したかったからだ。最初から、誰かの評価を意識して動いていた。
——あ、それって、しんどいやつだ。
そう気づいたとき、少しだけ肩の力が抜けた。それからは、「産後だから」と言われたら「そうですね」と流して、自分のペースで淡々とメニューをこなすようにした。
数字や体型の変化より、「今日は気持ちよく動けたな」を基準にした途端、ジムに行くのが楽しくなった。
誰かに認められるために通うのをやめたら、体を動かすこと自体が、ちゃんと楽しかった。
さいごに
傷ついた言葉の奥に、自分が何を求めていたかが隠れていることって、あるものですね。
インストラクターの一言がきっかけで、自分の動機に気づいた——そんな経験、あなたにもありませんか?
※本記事は、実際の体験談をもとに作成しています。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。


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