育休中のある午後、生後4ヶ月の娘を連れて育児用品の専門ショップへ出かけた。たった一人で。それがこんなにモヤモヤする一日になるとは思っていなかった。
「ご主人と一緒に来てから決めたほうがいいですよ」
お目当ては抱っこ紐。腰への負担が気になっていて、いくつか試着してみたかった。
対応してくれたのは30代くらいの男性スタッフだった。丁寧な口調で商品の説明をしてくれたのはよかったけど、「どれにするか決めてもいいですか?」と聞いたとたん、こう言われた。
「あの、こういった大きなお買い物はご主人とご一緒に来てから決めるほうが、後悔しないと思いますよ」
……え?
聞いていないのに「パパの意見も大事ですから」と続ける。確かに抱っこ紐とはいってもそこそこ高い買い物ではある。でも毎日使うのは私で、毎日娘をあやすのも私だ。ワンオペでこなしてきた4ヶ月間、夫に相談する暇すらなかったのが現実だ。
「それは担当外で……」が何度も続いて
気を取り直して、別の商品について質問してみた。
「この抱っこ紐、新生児から使えるって書いてありますが、月齢の目安はどのくらいですか?」
「それはちょっと私の担当外で……詳しいスタッフを呼びますね」
しばらく待ったが、誰も来なかった。
「腰ベルトの調整って自分でできますか?」
「基本的には試着のときにスタッフが合わせますので……」
ふわっとした答えが続く。製品の詳細を聞いても、比較を頼んでも、なんとなくかわされる感じ。「担当外」という言葉が何度出てきただろう。
そして会計のとき、もう一度言われた。「ご主人と来られてから決めるのも全然ありですよ」と。
——もう決めてるんですけど、と心の中でつぶやいた。
夫に話したら……「あげればよかったね」って何?
帰宅してから、夫に今日の出来事を話した。笑い飛ばしてくれるか、「それはひどいね」と言ってくれると思っていた。
でも夫が返したのは「まあ、大事な買い物だし、一緒に行ってあげればよかったね」という一言だった。
……「あげればよかった」?
なんで「あげる」なんだろう。育児用品を選ぶのは、夫にとって「してあげること」なのか。そっちのほうがずっとモヤッとして、ショップでの出来事が一気に霞んだ。
スタッフに「ご主人と来てから」と言われたことより、夫の「あげればよかった」という言葉の選び方に、私は今もひっかかっている。
どちらも悪意はない。きっと悪意なんてない。それがまた、どこにも怒りを向けられなくて、着地できないまま今日も娘を抱っこして歩いている。
さいごに
毎日ワンオペで動いているお母さんが、一人で買い物に来ることの何がいけないんだろう、と思ってしまう。スタッフの「パパと来てから」も、夫の「あげる」も、どちらも悪気はないからこそ、もやもやは消えない。こういうすれ違い、あなたにも心当たりがありませんか?
※本記事は、実際の体験談をもとに作成しています。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。


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