洗濯物が一気に増えて、部屋干しでは追いつかなくなった。
設置場所の寸法と蛇口の高さ、搬入経路の写真までスマホに入れて、駅前の家電量販店へ向かった。
高い買い物ほど、こちらの希望をきちんと伝えて、納得して決めたいと思っていた。
「設置の寸法、見せますね」から
洗濯機コーナーのテーブルに通され、私はメモを広げた。
「設置スペースが横68、奥行62、高さは吊り戸棚まで140です。防水パンは内寸57。扉は左開きの方が通路の邪魔にならないと思っていて」
男性店員は名札を軽く触りながら、私のスマホに目を寄せる。
「ふむふむ。乾燥はヒートポンプの方が電気代が安いですね。あ、蛇口の位置は…ここですね」
ここまでは普通の会話だった。
「子どもが生まれてから夜間の洗濯が増えたので、乾燥は必須で。予算はこのくらいに」と私が伝えると、店員はカタログをめくりながら私の顔をちらりと見た。
店員「ご主人を呼んで(笑)」
「どれにするか迷うなら、ご主人を呼んだらどうですか。女性一人では判断しにくいでしょう」
言いながら、口元だけ笑っていた。
私は手元のメモを見直した。ここに来るまでに、容量と設置条件、ドアの開きやフィルターの掃除のしやすさ、排水の位置まで調べてある。
その一言で、これ以上この店員に相談しても納得できないと感じた。
「私が決めます。必要な条件は全部調べてきました」
一度そう返したが、店員はペン先をくるくる回しつつ、
「いやいや、最終判断はご主人の方が安心ですよ。あとお支払いもありますし…」
と続けた。
私「この店では買いません」
カタログを閉じ、私は席を立った。
「今の発言が理由で、ここでの購入は取りやめます。条件は自分で整理してきましたけど、人を見下す接客の店からは買いません」
店員はペンを止め、私の表情をうかがった。
「気を悪くさせるつもりじゃ…すみません、説明を続けましょうか?」
「いえ、結構です」
私は名札の名字を目で確認してから、そのまま売り場を出た。
駐車券の認証で会員コードを提示していたので、来店履歴は残っているはずだ、と思いながらエスカレーターを降りた。
高額な電化製品ほど、毎日使うのは私だ。誰かの顔色をうかがって決める買い物ではない。
別の店は質問に全部答えた
翌日、用事の帰りに別の量販店へ寄った。
入口でスタッフに「乾燥機能つきで、この寸法に入るものを探しています」と伝えると、担当の女性が測定テープを持ってきて、私のメモと写真を一緒に確認してくれた。
「防水パンの段差がここにあるので、脚を調整できるタイプが安心です。扉は左開きで合ってます。蛇口までの高さがあるので、ここにホースカバーを入れると収まりが良いです」
話すたびに、必要な理由が添えられる。
候補機種ごとに、乾燥方式の違い、フィルターの手入れ頻度、騒音の目安、電気代の概算まで数値で示してくれた。
「搬入はエレベーターの内寸がこの幅なら大丈夫です。配送チームに確認しますね」と、その場でバックヤードへ連絡も取ってくれた。
私は質問を全部出し切って、悩んだポイントも整理できた。
最終的に、条件に合う機種を1つに絞り、延長保証の内容も納得して申し込み。
配送日は私の在宅日に合わせて決め、支払いも完了した。
帰り道、肩の力が抜けた。
「聞けばきちんと答えが返ってくる」ただそれだけで、不安は小さくなる。
来店アンケートで事実を送信
その夜、最初の店から来店アンケートのメールが届いた。駐車券の認証で会員コードを読み取ってもらっていたからだ。
私は日時と売り場、名札で見た担当者の名字を書き、こう入力した。
「『ご主人を呼んで』『女性一人では判断しにくいでしょう』と言われ、この発言が理由で購入を取りやめました」
感情の言葉を増やさず、事実と理由だけにした。
送信ボタンを押して、夫にこの出来事を話したら、「よく断ったね。納得して買えたならそれが一番」とうなずいた。
その後、選ぶ店を決めた理由
一週間後、わが家に新しい洗濯乾燥機が届いた。
配送の人は養生をしっかりして、蛇口の位置と排水を確認しながら設置。試運転の音の大きさも一緒に確かめ、使い方のコツを教えてくれた。
夜、乾燥まで回したタオルがふわっと仕上がり、寝かしつけ後の片づけが少し楽になった。
私は心の中で決めた。
高い買い物ほど、こちらの話をきちんと聞き、根拠を添えて説明してくれる人から買う。
「ご主人を呼んで」と言われた瞬間に、私が客として見られていないことが分かったからだ。
もうあの店に行くことはない。
代わりに、今回対応してくれた店を、次も最初の候補にしようと思う。
さいごに
性別や家族構成を理由に説明を省く接客は、客の判断機会を奪います。高額な買い物で不信感を覚えたら、あなたは担当変更を求めますか、それとも別の店を選びますか?
※本記事は、実際の体験談をもとに作成しています。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。


コメント