プロフィールに名前を書いているあいだ、担当者が横から書類をのぞき込み、落ち着かなかった。希望を相談しに来たはずなのに、一方的に評価されているように感じた。
「選べる立場じゃない」と笑われた日
最初の面談の担当は、スーツの男性だった。私が「休日が合う人がいいです。土日どちらか休める方だとありがたいです」と言うと、彼はボールペンを回しながら笑った。
「その年齢なら愛嬌で補わないとね。もう選べる立場じゃないですよ。妥協できるところ、どこです?」
希望を書いた欄に赤い丸が増えていく。「ここは『こだわらない』にしましょう。今月中にお返事いただければ、紹介の枠を優先できますから」
条件を相談する場なのに、下げる前提で進む。私が「お酒はあまり飲まない方がいいです」と伝えると、「そこは目をつぶって。出会ってから調整すればいいだけです」と軽くあしらわれた。
帰り道、駅のベンチに座った。希望をわがままだと言われたようで、目の奥が熱い。家に着いても、あの「選べる立場じゃない」の言葉が耳から離れなかった。
退会を伝えると「別の担当に替えます」と言われ
数日考えて、相談所にメールを送った。担当変更を希望しつつ、このままであれば退会したいことも書いた。折り返しの電話で「不快な思いをさせてしまい申し訳ありません。別の担当にすぐ替えます」と引き止められたが、私は「もう活動自体を見直したいので」と伝えた。
電話を切ったあと、婚活をやめるかどうか、しばらく迷った。けれど最後に一度だけ、別の相談所の無料相談に行ってみることにした。ここで無理なら、いったんやめようと思った。
別の相談所で「急がなくていいですよ」と言われて
迎えてくれたのは、年配の女性カウンセラー。私がこれまでのことと不安を話し始めると、彼女はメモを取る手を止めて、温かいお茶を差し出した。途中で口をはさまない。ただ相づちが続く。
ひと通り話し終えると、彼女は言った。
「誰かに急かされて決める必要はありません。あなたが納得できる相手を、自分のペースで探せばいいんですよ」
その一言で、肩に力が入っていたことに気づいた。私は「休日のことも、お酒のことも、私には大事なんです」ともう一度言ってみた。彼女はうなずき、「じゃあ、その条件で探しましょう」とだけ返してくれた。
私が取り戻したかったもの
条件の厳しさを責められたわけじゃない。選ぶ権利ごとにこれはやめてと言われたのがつらかったんだと分かった。誰かの物差しではなく、自分の暮らしに合う人を探す。急がされても、決めるのは私だ。
あの日もらったお茶の温かさを思い出すたび、焦らなくていいと自分に言い聞かせられる。私はまた、自分のペースで、プロフィールを一つずつ見ていこうと思う。
さいごに
相談する側を見下す言葉が続くなら、担当者や相談先を選び直して構いません。あなたは、どんな姿勢の人なら大切な将来の相談を任せられますか?
※本記事は、実際の体験談をもとに作成しています。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。


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