同僚「先に行くね(笑)」子どもを押しのけ⇒人事「先ほどの行動も選考です」面接で態度が一変

       
体験談
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同僚「先に行くね(笑)」子どもを押しのけ⇒人事「先ほどの行動も選考です」面接で態度が一変 体験談

エレベーターホールに並ぶ人の列。スーツ姿の人が多くて、少し緊張が伝わってくる。今日が社内公募の最終面接。私と、同じ部署の同僚も同じ時間帯だ。

彼は私の横でにやっと笑った。「先に行くね(笑)」

軽い冗談のような声とは裏腹に、前にいた親子の間へ肩を入れ、ボタンの前までずんずん進んだ。小さな男の子がよろけて、母親の腕から手が外れかける。

「先に行くね(笑)」と肩で押す

「ごめん、急いでるから」

彼はそう言って、エレベータの開閉ボタンを連打し始めた。親子は驚いた顔で立ち尽くしている。私はとっさに男の子の肩を支え、「大丈夫?」と母親に声をかけた。

「すみません、びっくりしちゃって……」

母親は小さく頭を下げ、子どもは目に涙をためている。ビルの受付カウンターの方からスタッフが駆け寄ってきて、「お怪我はありませんか」と声をかけた。カウンターからはエレベータ前が見渡せるようで、スタッフも様子を見ていたらしい。

私は受付に「面接に向かう同僚が、前にいたお子さんにぶつかってしまって」と、見たままを伝えた。母親が「大丈夫です」と言うのを確認して、受付のスタッフは「こちらで対応します」と母子を奥のベンチに案内した。

「ほら、来たよ」

同僚は私にだけ聞こえる声で言い、先に到着したエレベータに乗り込んだ。私は次の便を待つことにした。

「大丈夫?」母子に声をかけた

会議室フロアに着くと、受付で渡された面接票に名前を書いた。ほどなくして、同僚と私の二人同時に呼ばれた。部屋には人事部長と面接官が二人。

椅子に腰かけた瞬間、人事部長が口を開いた。「お二人とも、先ほどロビーでの出来事について確認したいことがあります」

同僚の視線が泳ぐ。私は、受付に伝えた話をそのまま伝えた。「前にいらした親子の間に割り込んで、男の子がよろけたので支えました。受付の方が対応されています」

同僚は笑ってごまかそうとした。「いや、ちょっと急いでただけで。触れてないと思いますよ。時間ギリで、ね?」

部長は書類を閉じた。「受付スタッフから、割り込みでお子さんがよろけたと連絡が来ています。接触の有無にかかわらず、共用部での行動は来客の安全に直結します。先ほどの行動も選考の一部と考えています」

「先ほどの行動も選考です」

同僚が身を乗り出した。「え、そんなの…たまたまでしょ。あれは親の方が…」

「ここでの言い訳はやめましょう」

部長の言葉は短かった。「本日の面接は、あなたはここで終了です。退室してください」

同僚は椅子を引く手つきが荒くなり、「いや、聞いてます?俺、結果出してきたし…」と早口になる。面接官のひとりが扉の方を示すと、彼は顔をしかめ、無言で部屋を出ていった。

部長は私の方に向き直った。「あなたはロビーで何を優先しましたか」

「危ないと思った子どもを支えることです。母親の方も驚いていたので、ひとこと声をかけました」

「時間に遅れる可能性は?」

「ありました。けど、呼出は番号制でしたし、受付の方に事情を伝えればわかっていただけると思いました」

面接は通常の質問に戻り、志望理由やこれまでの業務の話になった。手応えはあった。

彼の言い訳は続かない

面接室を出ると、廊下の端に同僚がまだ立っていた。退室を告げられても、次の連絡を待っていたのか、スマホを握ったまま動かない。私を見ると、「さっきの、わざわざ言わなくてよかったのに」と低い声で言った。

「言わなくても、受付の方が見ていたよ」

それ以上、彼は何も言わなかった。足元を見て、スマホを握りしめたまま動かない。

ほどなくして、社内ポータルに管理部門からの注意喚起が出た。来客フロアでの安全配慮と、割り込み・押し抜けの禁止。エレベータ前には、並び方の案内表示も追加された。

配属の連絡、届いた

翌週、人事から連絡が来た。私は公募のポジションに内定。同僚は選考から外れたと聞いた。直属の上司経由で、彼は注意を受け、来客エリアでの配慮は社内の行動ルールに含まれていて、その対応として注意と社内の安全配慮研修の受講が決まったと聞いた。

私には、新しい部署のオリエンテーションの日程が届いた。ロビーで会った親子のことが気になっていたけれど、受付のスタッフに聞くと「お怪我はありませんでした」とのこと。ほっとした。

引き継ぎの準備をしながら、私は自分の中でもう一度あの場面を振り返った。急いでいても、押しのける必要なんてない。面接の場だけが選考じゃない。日常のちょっとした場面ほど、人柄は出るのだと思う。

新しい席に必要な文具をそろえていたら、フロアの掲示板に貼られた「来客対応の基本」の紙が目に入った。たぶん多くの人は分かっている。でも、たまに忘れる人がいる。忘れたときに、誰かが止める。そういう会社でありたい。

さいごに

小さな場面のふるまいが、その人の素顔を物語ることってありますよね。誰かの前でなくても、見ている人はちゃんといます。

急いでいるときこそ、相手の体や気持ちを置き去りにしない。そんな当たり前を、わたしたちはどこまで守れているでしょうか。あなたなら、似た場面でどう振る舞いますか。

※本記事は、実際の体験談をもとに作成しています。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

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