「車は母さんに決めてもらえばいい」出産前の買い替えで義母任せの夫→維持費まで計算した夫が黙った

       
体験談
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「車は母さんに決めてもらえばいい」出産前の買い替えで義母任せの夫→維持費まで計算した夫が黙った 体験談

テーブルに広げた車のカタログが、エアコンの風でぱらりとめくれた。

出産まであと数か月。

子どもが生まれる前に、今乗っている車を買い替えようと夫と話していた。

安全装備はしっかりしたものがいい。でも、これから育児にもお金がかかる。

できるだけ無理のない範囲で選びたいと思っていた。

そんなとき、夫が何気なく言った。

「母さんにも見てもらおうよ。車詳しいし」

最初は、意見を聞く程度だと思っていた。

でも、話を聞いているうちに少し違うことに気づいた。

「母さんが選んだやつでよくない?」

「私たちで何台か候補を決めてから聞く?」

そう尋ねると、夫はスマートフォンを見たまま言った。

「別に母さんに決めてもらえば早くない? 今まで何台も買ってるし」

私は思わず聞き返した。

「私たちが毎日使う車だよね?」

「分かってるよ。でも詳しい人に任せたほうが失敗しないだろ」

その日の夜、義母からも電話があった。

「聞いたわよ。車買い替えるんでしょう?」

楽しそうな声だった。

「子どもが生まれるなら、大きい車のほうが絶対便利よ。荷物も増えるし、人も乗せられるし」

「まだ予算も含めて考えてるところなんです」

そう答えると、

「大きいほうが後悔しないわよ。あなたもこれからはそんなに運転しないでしょう?」

と言われた。

私は少し引っかかった。

産休や育休に入っても、買い物や子どもの通院などで車を使う可能性はむしろ高い。

普段一番運転するのは私だった。

義母がすすめたのは、大きなミニバン

週末、義母が車のカタログを持ってきた。

「これなんていいと思うの」

指さしたのは、私たちが考えていたものより一回り大きく、価格も高いミニバンだった。

「子ども一人でも、このくらいあったほうが楽よ。あとから買い替えるよりいいでしょう?」

夫も、「確かに広いほうが便利そうだな」とうなずいた。

私はカタログの寸法を見た。

「でも、うちの駐車場に入るか確認しないと」

マンションの駐車場は機械式だった。

車高や車幅、全長などに制限がある。

さらに、購入価格だけではない。

保険料、税金、ガソリン代、車検や消耗品。

車体が大きくなれば、維持費も変わる。

「そこまで気にしなくても大丈夫じゃない?」

夫はそう言った。

その一言で、私は少し不安になった。

大丈夫かどうかを、まだ計算していない。

それなのに、なんとなく大丈夫そうだからという理由で高い買い物を決めるのは怖かった。

「一回、条件を全部出そう」

その夜、私は夫に言った。

「お義母さんのおすすめが悪いって言いたいわけじゃないんだ」

「じゃあ何?」

「まず、私たちがいくらまでなら無理なく払えるのか決めたい」

夫は少し面倒そうな顔をした。

「車くらい、そこまで細かくやらなくても」

「何百万円もするものだから、細かく見たいんだよ」

私は家計簿を開いた。

家賃、食費、光熱費、通信費。

これから増える子どもの費用。

産休や育休に入ったあと、家計に入るお金が今までと同じではない期間もある。

そこへ車の支払いを加える。

「月々いくらまでなら、今の生活を大きく変えずに払えるか。それを先に決めよう」

夫はしばらく黙ったあと、

「じゃあ、一回やってみるか」と言った。

車体価格だけでは比べられなかった

数日かけて、候補を三台ほどに絞った。

それぞれについて、ディーラーでもらった見積もりを並べた。

車両価格。

必要なオプション。

任意保険の目安。

税金や車検に備える金額。

ガソリン代。

タイヤなどの消耗品。

さらに、マンションの機械式駐車場に入る寸法かどうかも確認した。

数字を並べると、かなり差があった。

義母がすすめていたミニバンは魅力的だった。

広いし、スライドドアも使いやすそうだった。

でも、今の私たちには少し大きすぎた。

購入費だけでなく、その後の負担まで考えると、無理なく選べる範囲を超えていた。

夫も表を見ながら言った。

「車両価格しか見てなかったな」

「私も広いのはいいと思うよ。でも、毎月苦しくなるなら違うかなって」

「そうだな」

そこでようやく、二人の話になった気がした。

頭金についても二人で決めた

私は以前から、車の買い替えに使うつもりで少しずつ貯めていたお金があった。

「ここから一部を頭金に使ってもいいと思ってる」

そう話した。

夫も、「じゃあ俺も貯金から同じくらい出すよ」と答えた。

どちらが多く出したから決定権がある、という話にはしたくなかった。

私が一番伝えたかったのは、

「お義母さんがいいと言ったから」でも、

「私がお金を出すから」でもなく、

これから使う私たち二人が納得して決めたい、ということだった。

義母には夫から伝えてもらった

次に義母から、

「あの車、見に行った?」

と聞かれたとき、夫が答えた。

「いろいろ計算してみたけど、あれは今回はやめるよ」

義母は驚いた様子だった。

「どうして? せっかく広いのに」

「駐車場の条件もあるし、維持費まで考えると、うちにはちょっと大きい。二人で決めた」

私は少しほっとした。

以前なら、「母さんがそう言ってるし」と私に判断を委ねていたかもしれない。

義母は、

「あとから狭いって言っても知らないわよ」

と少し不満そうだった。

それでも、夫は、

「そのときはそのとき。今回は自分たちで決めるよ」

と返した。

そこで話は終わった。

義母が完全に納得したわけではなかった。

でも、それでいいと思った。

実際に使う場面を確認して選んだ

その後、夫と二人でディーラーを回った。

営業担当には最初に、

「予算はこの範囲です。駐車場にも寸法制限があります」

と伝えた。

安全装備について説明を受け、後部座席の使いやすさも確認した。

チャイルドシートを置いたときに前席が狭くなりすぎないか。

荷物を積めるか。

私でも駐車しやすい大きさか。

ベビーカーを載せることも想定した。

カタログを見ていたときには気づかなかったことが、実車を見るといくつも分かった。

最終的に選んだのは、義母がすすめた車より小さな車だった。

それでも、必要な安全装備はあり、荷物も十分載せられる。

何より、毎月の支払いを見ても不安にならない。

私たちには、そのほうが合っていた。

一度で夫が変わったわけではない

車を決めたあと、家計についても以前より話すようになった。

とはいえ、夫が突然すべての支出を細かく管理するようになったわけではない。

今でも、「これくらい大丈夫じゃない?」と感覚で言うことはある。

そんなときは、「じゃあ一回数字見よう」と言う。

夫も以前ほど嫌がらなくなった。

大きな買い物の前には、家計簿を見て、

「今いくらまでなら出せるか」

を先に確認する。

それがわが家のやり方になりつつある。

納車の日

新しい車が来た日、義母にも写真を送った。

返ってきたのは、

「いい色ね。安全運転でね」

という短いメッセージだった。

「もっと大きいほうがよかったのに」とは書かれていなかった。

私はチャイルドシートを取り付けた後部座席を見ながら、少し安心した。

義母の意見を聞くこと自体が嫌だったわけではない。

経験のある人の話が参考になることもある。

ただ、「詳しい人が決めればいい」と、自分たちの生活に関わる判断まで渡してしまうのは違うと思った。

この車の支払いをして、運転して、子どもを乗せるのは私たちだ。

だから最後に決めるのも、私たちでいい。

当たり前のことだけれど、あのとき一度立ち止まってよかったと思っている。

さいごに

家や車など大きな買い物では、親や身近な人からアドバイスを受けることもあります。

経験者の意見が役に立つこともありますが、実際に支払い、使い続ける人の生活に合っているかは別の問題です。

購入価格だけではなく、維持費や家計の変化、実際の使い方まで並べてみると、「欲しいもの」と「無理なく持てるもの」の違いが見えてくることもあります。

身内から「これにしたほうがいい」と強くすすめられたら、あなたなら何を基準に決めますか?

※本記事は、実際の体験談をもとに作成しています。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

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