「家族なんだから平気でしょ?」手術前日の私のベッドに座る義母→夫が言った一言

       
体験談
※本記事はSHUFUFUが独自に制作したコンテンツです。また、本記事内に広告を含む場合があります。
「家族なんだから平気でしょ?」手術前日の私のベッドに座る義母→夫が言った一言 体験談

消毒液の匂いと、カーテン越しのやわらかな光。

腕には点滴。翌日には手術を控えていた。

何をしていても、明日のことが頭から離れない。

そんな午後、病室のドアが開き、義母が明るい声で入ってきた。

「顔見たら元気出るでしょう?」

ありがたい気持ちはあった。

でも、その日の私は、人と話すだけでも少し疲れていた。

「ちょっとここ座るわね」

検査から戻ると、義母は私のベッド脇に立っていた。

コートとバッグをサイドテーブルに置き、

「疲れたわ。ちょっとここ座らせてね」

と言いながら、ベッドの足元へ腰を下ろした。

マットレスが沈む。

私は反射的に体を縮めた。

体勢を変えるだけでもつらいのに、足元が揺れると落ち着かなかった。

「お義母さん、椅子ありますよ」

そう言うと、「大丈夫、大丈夫。すぐ立つから」と笑った。

義母にとっては、本当に大したことではなかったのだと思う。

でも、横になっている私にとっては違った。

「家族なんだから気にしなくていいでしょ?」

義母は持ってきた袋から、お菓子や飲み物を次々に取り出した。

「これ食べられる?」
「これは手術終わってからでもいいわね」

小さなサイドテーブルが、あっという間にいっぱいになった。

「ありがとうございます。でも今、あまり荷物を置けなくて」

私がそう言うと、

「家族なんだから、そんなに遠慮しなくていいのよ」と返された。

遠慮しているわけではない。

今は静かに横になりたい。

それをどう言えば角が立たないか考えているうちに、ますます疲れてきた。

私は意を決して言った。

「ごめんなさい。ベッドが動くとちょっとつらいので、椅子に座ってもらえますか?」

義母は意外そうな顔をした。

「そんなに? 足元にちょっと座ってるだけよ」

その言葉を聞いたところで、夫が立ち上がった。

夫「母さん、椅子に座って」

夫はそれまで付き添い用の椅子に座っていた。

私の顔を見てから、義母へ言った。

「母さん、こっちの椅子使って。ベッドは本人が休むところだから」

義母は少し不満そうだった。

「私、そんなに邪魔してないでしょう?」

「邪魔かどうかじゃなくて、本人がつらいって言ってるから」

夫はそう答えた。

ちょうどそのとき、看護師が部屋へ入ってきた。

夫が、

「すみません。面会中って、付き添いはどこに座るのがいいですか?」

と尋ねた。

看護師は、

「こちらの椅子をご利用ください。ベッド周りは患者さんが動いたり処置をしたりするので、なるべく空けておいていただけると助かります」

と説明した。

さらに、サイドテーブルの荷物を見て、

「明日手術ですし、必要なもの以外はご家族に持ち帰ってもらっても大丈夫ですよ」

と続けた。

義母はようやく立ち上がった。

「あら、そうなのね。ごめんなさい」

持ってきたものを袋へ戻し始めた。

「助かった」

義母が椅子へ移ると、ベッドの周りが急に広く感じた。

その後もしばらく話していたが、私が疲れているのを見て、夫が、

「今日はそろそろ帰ろう。明日もあるし」

と声をかけた。

義母は、

「そうね。じゃあ手術終わったらまた連絡して」

と言って帰っていった。

ドアが閉まったあと、私は夫に言った。

「助かった。ありがとう」

「もっと早く言えばよかった。ごめん」

「私も、最初にはっきり言えばよかったんだけどね」

夫は首を振った。

「入院してる人が気を遣うことじゃないよ」

その言葉に、少し肩の力が抜けた。

手術後の面会は短めにした

手術後は、体調によって面会を断る日もあった。

義母から、「今日行ってもいい?」

と連絡が来ると、夫が私に確認してから返事をしてくれた。

「今日はまだ痛みが強いから、また明日にしよう」
「今日は少しなら大丈夫そう」

そんなふうに、その日の体調を優先した。

義母も最初は、「顔を見るだけでも駄目?」と言うことがあった。

でも夫が、

「本人が休みたいって言ってるから」

と返すと、それ以上押してくることはなかった。

面会に来た日も、以前のように荷物を広げることはなくなった。

「ここ座っていい?」

と椅子を指さして聞かれたときは、少し驚いた。

「もちろんです」と答えた。

「助けたい」と「してほしい」は同じじゃない

退院が近づいた頃、義母が言った。

「最初の日、私ちょっと張り切りすぎたわね」

私は少し迷ってから答えた。

「来てくれたのはうれしかったです。ただ、あの日は本当に余裕がなくて」

「そうよね。私、自分なら平気だからって考えちゃうのよ」

義母はそう言った。

私は、「体調悪いときは、先に聞いてもらえると助かります」と伝えた。

義母は、「分かった」とうなずいた。

その一度ですべて変わったわけではない。

退院後も、突然「今から寄ろうか」と連絡してくることはあった。

そんなときは、

「今日は休みたいので、また今度お願いします」

と返すようにした。

以前なら、断ったら悪いと思って無理に迎えていたかもしれない。

でも入院中の出来事をきっかけに、少しずつ言えるようになった。

弱っているときほど、代わりに言ってくれる人がありがたい

あの日、私は自分で「椅子に移ってください」と言った。

それでも義母に、「少しだけだから」

と返された瞬間、もう一度強く言う気力はほとんど残っていなかった。

そんなとき夫が、「本人がつらいって言ってるから」と言ってくれた。

大げさな言葉ではない。

義母を責めたわけでもない。

ただ、私の「つらい」をそのまま理由として扱ってくれた。

それが一番ありがたかった。

家族だから近くにいたい。

心配だから何かしてあげたい。

そんな気持ちがあっても、相手が今それを望んでいるかは別の話だ。

入院中に必要だったのは、「家族なんだから大丈夫」ではなく、

「今、何をしてほしい?」と聞いてもらうことだったのだと思う。

さいごに

入院中や体調が悪いときは、普段なら気にならないことでも負担になることがあります。

面会する側には善意があっても、患者本人が休みたいと感じているなら、その気持ちを優先してもらうことも大切です。

自分で伝える余裕がないときには、家族や医療スタッフに間に入ってもらう方法もあります。

身近な人の「してあげたい」と、自分の「今はしてほしくない」がぶつかったとき、あなたならどう伝えますか?

※本記事は、実際の体験談をもとに作成しています。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

コメント

タイトルとURLをコピーしました