婚活パーティで知り合ってから、もう3回目のデート。「そろそろ次のステップかな」と思いはじめていた矢先のことだった。
「またか」と思う瞬間が積み重なっていた
彼のことは、正直悪くないと思っていた。
IT系の仕事をしていて、会話は弾むし、清潔感もある。婚活パーティで最初に話しかけてくれたときの印象は「誠実そうな人だな」だった。
でも、1回目のデートのときからなんとなく引っかかるものはあった。
カフェで飲み物がなかなか来なかったとき、少し大きめの声で「遅くないですか」と言ったこと。混んでいる日だったし、私には特に気にならなかったのだけど。
2回目は、道を歩きながら「あの店員、愛想なかったよね」とひとこと。私はそのお店の雰囲気が好きだったから、少しだけ残念な気持ちになった。
「細かいことを気にしすぎかな」と、そのたびに自分に言い聞かせていた。
3回目、彼が店員さんに見せた顔
その日は少しおしゃれなイタリアンのお店だった。
注文したパスタが思っていたものと違ったのか、彼はメニューを指さしながら「これ、メニューの説明と全然違うけど」と店員さんに言った。
声のトーンが、明らかに低かった。
店員さんは若い女性で、「申し訳ございません、確認してまいります」と小さくなって下がっていった。
その後、料理の説明に誤りがあったことがわかって、お店側がしっかり対応してくれた。それ自体は問題ない。でも私の目に焼き付いたのは、その店員さんが戻ってきたとき、彼がひとことも「ありがとう」を言わなかったこと。
テーブルが静かになって、私はなんとなくフォークを持つ手が止まった。
——この人と、ずっと一緒にいられるかな。
黙って引くより、正直に伝えてみた
帰りの駅で、私は思い切って言った。
「さっき、店員さんへの言い方、少し気になったんだよね。悪気がないのはわかるんだけど……」
自分でも驚くくらい、声が震えた。
彼はしばらく黙っていた。怒るかな、と思った。
でも彼は「……そうだったか。気づかなかった」とだけ言った。
謝罪でもなく、言い訳でもなかった。ただ、本当に気づいていなかったようだった。
その言葉を聞いたとき、私はなぜか少し泣きそうになった。責めたかったわけじゃない。ただ「私が大事にしたいことって、こういうことだったんだ」と、初めてくっきり見えた気がした。
婚活を続けることに疲れていたあの頃、ずっとぼんやりしていた「どんな人と生きたいか」が、あの夜の帰り道でやっとイメージを持つことができた。
さいごに
黙って去るのでも、見て見ぬふりをするのでもなく、ちゃんと言葉にしてみたことで、自分の「大事にしたいこと」がはっきり見えてきた話でした。婚活中の小さなモヤッとって、見過ごしたくなりますよね。あなたは、そういう違和感を感じたとき、どうしていますか?
※本記事は、実際の体験談をもとに作成しています。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。


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