元同級生店員「買う気ないなら帰って」⇒私「予約は夫の会社名で」店長の一言で態度一変

       
体験談
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元同級生店員「買う気ないなら帰って」⇒私「予約は夫の会社名で」店長の一言で態度一変 体験談

大きなガラス越しに白い床が光っていた。輸入車のショールームは静かで、私は予約時間の確認で店に入った。夫は取引先回りの帰りに合流予定。名前を言えばすぐ通される、そう思っていた。

受付に立った女性の顔を見て、少しだけ身構えた。高校の同級生だ。彼女は私を上から下まで見て、口角を上げた。

「買う気ないでしょ? 帰って」

「車の購入ですか? 試乗は予約制なんで。カタログだけなら渡しますけど」

私は予約の時間と会社名を言おうとした。けれど彼女は私の話を遮って、手元のパンフレットをすっと突き出す。

「買う気ないなら、今日は帰って。忙しいから。ね?」

言い方に覚えがある。昔から、こうやって針で刺すみたいに笑う人だった。

「予約してます。13時。夫の会社名で」

「はいはい、そういうの多いのよ。旦那さんが、って。
まずは買う意思をしっかり見せてください。見積りは買う人にしか出してないんで」

名前すら聞かない。不思議だった。普通は最初に予約の名前を確認するはずだ。彼女は端末を開こうともせず、私の言葉を切ってパンフレットを押しつけるだけだった。

「主婦はカタログで十分だよ」

「主婦は、カタログで十分だよ」

彼女はそう言って、色の薄いモデルを指差す。「このへんなら現実的。こっちはお高いから」

一拍置いて、スマホで夫に「10分で着く?」とだけ送った。

「予約は夫の会社名です。確認してもらえますか」

「法人? ふふ。ここ、冷やかしが多いの。お店は商売だから、時間もったいないでしょ?」

“商売だから”。その言葉は、あとでそっくり返る。

彼女は学生時代、成績やブランドでよく張り合っていた。今は営業だと聞いたことがある。歩合が絡めば、冷やかしをはじきたい気持ちは分かる。でも、予約客を切るのは違う。

「では、名前を伝えます。…」

「それ、今はいい。とりあえず今日は帰って。また買う気になったら」

「確認してもらえますか」と言っても、彼女は画面に手を伸ばさない。本気かどうかは、名札の肩書きでしか測れないのだろうか。私は持ってきたエコバッグの持ち手を握り直し、受付ではこれ以上進まないと判断し、すぐ着く夫を待つことにした。

「予約は夫の会社名で来ました」

自動ドアが開いて、夫が入ってきた。グレーのスーツに、車のキーがじゃらりと光る。夫の後ろから、年配の男性が早足で近づいてきた。店長と名札にある。

「いつもお世話になっております。お時間いただいてすみません」

店長は深く頭を下げ、夫と名刺を交わした。名刺の会社名を見た瞬間、店長の声が一段丁寧になる。法人の更新で何台も世話になっているから、店長が直で来たのだろう。

「本日は、こちらのSUVの試乗と、ご家族のお車のご相談も伺っております」

私は一歩進んで言った。「予約は夫の会社名で来ました。入り口で、確認が通らなくて」

店長はすぐ受付に目をやった。元同級生は、手に持っていたパンフレットをそっと下げた。

店長「こちらで引き継ぎます」

「先ほどの対応、私の指導不足です。以後、私が担当します」

店長は短くそう言って、私たちを商談スペースへ案内した。元同級生は横から口を開いた。

「誤解で…確認しようと—」

「確認は、最初にお客さまの名前を伺ってからです。来店時は、最初にお名前と予約の有無を伺うのが決まりです。今日は私が受けます」

彼女は視線を泳がせ、手元のメモを握りしめた。

私は、ここで説教をする気はなかった。席につくと、必要なことだけ伝えた。

「今日は試乗の時間と、見積りの条件だけ確認できれば。先ほどの件は、店長さんにお任せします」

夫も一言だけ添えた。「入り口で、こういうやりとりがありました。私たちは今日、買う話をしに来ています」

店長はメモに書き込み、「社内でも共有します」とだけ答えた。

「用件だけ済ませて帰るね」

試乗車は予定通り用意されていた。操作説明も丁寧で、道順まで紙に印刷してある。戻ってからは、夫の法人の更新時期と、家の車の支払いプランを、項目を一つずつ詰めた。

会計の話に入ると、店長はきちんと書類を出した。頭金の内訳も、月々の支払いも、誰がどれを払うかが一目で分かる。

「こちらは法人、こちらは個人。請求先は分けます。納車は来月の見込みです」

必要な署名を済ませ、私は席を立った。元同級生は離れたデスクで、上司らしき人と何かを確認していた。私たちに近づいてくることはなかった。帰り際、店長が改めて頭を下げた。

「担当の件、私からも指導します。本日はありがとうございました」

外に出ると、夫が苦笑いした。「“お店は商売だから”って言ってた?」

「言ってた。だからこそ、最初に名前を聞くんだと思う」

風が少し強くて、私はコートの前を押さえた。用件だけ済ませて帰る。今日はそれで十分だった。

次は納車を待つだけ

その後、店長から「担当変更と教育の実施」を知らせるメールが届いた。私たちの担当は店長に変わり、今後の連絡は店長直通になるとあった。

納車の連絡が来るまで、私は特に何も言わないつもりだ。あの日のことは店内で処理されるべきことで、私が引っ張る話じゃない。

ただ一つ、次にショールームへ行くときは、受付で名前を名乗る前に、にこっと笑ってこう言おうと思う。「予約して来ました」と。

さいごに

思い込みで客をふるいにかけると、お店の信用まで落ちてしまいます。見た目や肩書きで決めつけられる、つらい瞬間ってありますよね。

予約の名前を確かめる、ただそれだけで守れる関係もあります。あなたなら、同じ場面でどう声をかけますか?

※本記事は、実際の体験談をもとに作成しています。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

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