「嫁は身内じゃない」葬儀で言い放つ義母→夫が気づいた“おかしな矛盾”

       
体験談
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「嫁は身内じゃない」葬儀で言い放つ義母→夫が気づいた“おかしな矛盾” 体験談

喪服の袖を直すと、指先が少し冷たかった。

その日は、夫の祖父の葬儀だった。

夫は長男で、私はその妻。

親族の中でどこまで動けばいいのか分からなかったので、出しゃばらず、頼まれたことを手伝おうと思っていた。

早めに会場へ着くと、受付の準備がまだ途中だった。

私は芳名カードやペンを並べ、香典を受け取る場所を整えるのを手伝っていた。

そこへ義母がやって来た。

「受付は親族でやるから」

「そこはもういいわよ」

義母に言われ、私は手を止めた。

「受付、別の人がやることになりました?」

そう尋ねると、義母は少し声を落として言った。

「受付は身内でやるから。あなたは向こうにいて」

一瞬、意味を考えた。

「身内」という言葉の中に、私は入っていないらしい。

「分かりました」

私はそれ以上何も言わず、受付から離れた。

葬儀の日に言い争う気にはなれなかった。

誰が受付をするかは、家によって考え方もあるだろう。

それ自体はいい。

ただ、そのあとに続いた言葉には少し引っかかった。

「嫁はこういうとき、前に出なくていいのよ」

前には出るな。でも手伝いはして

私は親族控室の隅に移った。

するとしばらくして、また義母から声がかかった。

「お茶、足りてるか見てくれる?」

「はい」

湯のみを確認し、足りない分を補った。

その少し後には、「この荷物、向こうに運んで」と頼まれた。

さらに、「親戚が来たら控室まで案内してね」とも言われた。

私は頼まれたことをやった。

でも、だんだん妙な気持ちになった。

受付に立つときは「身内ではない」。

でも、裏方の仕事をするときは「嫁だから」。

都合によって立場が変わっているように感じた。

「嫁は後ろでいいの」

式が始まる前、親族が集まり始めた。

私は夫の近くに座ろうとした。

すると義母が小声で言った。

「あなたはもう少し後ろでいいわよ」

「ここじゃ駄目ですか?」

「嫁なんだから、前に出なくていいの」

またその言葉だった。

私は何も返さなかった。

でも、夫がこちらを見た。

「どうしたの?」

「あとでいいよ」

そう答えたが、夫は私の表情を見て何か察したらしい。

少し人の少ないところへ移動したとき、

「母さんに何か言われた?」と聞かれた。

私は短く説明した。

「受付は身内がやるからって外されたの。それは別にいいんだけど、そのあと『嫁だから裏方やって』『嫁だから後ろにいて』って言われてて」

夫の表情が変わった。

夫「それなら普通に参列してもらうよ」

夫は義母のところへ行った。

大声ではなく、周囲に響かない程度の声で話した。

「母さん。受付を親族だけでやるのはいいよ」

義母がうなずく。

「でも、妻を身内じゃないって扱うなら、裏方だけ全部頼むのはおかしくない?」

義母は、「何言ってるの。嫁なんだから手伝うのは普通でしょう」と返した。

夫は少し間を置いて言った。

「じゃあ都合のいいときだけ家族なの?」

義母が黙った。

「今日は祖父ちゃんを見送る日だから揉めたくない。妻にはもう仕事を頼まなくていいよ。普通に僕の隣で参列してもらうから」

それだけ言った。

義母は不満そうだったが、それ以上は言わなかった。

私は少し離れたところから、そのやり取りを聞いていた。

胸の奥の力が、少し抜けた。

親族の一人がぽつりと言った

その後、私は夫の近くに座った。

すると年配の親族が、私に小声で話しかけてきた。

「さっきからいろいろ手伝ってくれてたでしょう。ありがとうね」

「いえ」

「こういう日は、誰が内側で誰が外側なんて言わなくていいのにね」

私は返事に困り、軽く頭を下げた。

その人も、それ以上何も言わなかった。

それくらいでよかった。

葬儀は予定どおり進んだ。

私は夫の祖父を見送ることだけを考えた。

葬儀のあと、夫と話した

帰宅してから、夫が言った。

「ごめん。前からああいう言い方されてた?」

「たまにね」

「知らなかった」

私は、「受付をやらせてもらえなかったこと自体は気にしてないよ」と答えた。

本当にそうだった。

受付を誰に任せるかは、その家で決めればいい。

私が嫌だったのは、「あなたは身内ではない」と言いながら、

「嫁なんだから働いて」

と求められることだった。

「外の人なら外の人でいいし、家族なら家族でいい。でも、そのときだけ都合よく変えられるのは嫌」

そう伝えた。

夫は、「分かった。今後は俺もその場で言う」と答えた。

次の法要は、夫だけが連絡窓口になった

後日、四十九日の予定について親族の連絡が始まった。

私は夫に言った。

「連絡はあなたが受けてくれる?」

「もちろん」

親族のグループチャットには夫だけが残り、私は必要な予定だけ夫から聞くことにした。

義母との連絡も、法要に関することは基本的に夫が受けた。

完全に関係を切ったわけではない。

法要にも出席した。

ただ、以前のように、

「嫁なんだから分かってるでしょう」

という曖昧な役割を、そのまま引き受けるのはやめた。

手伝ってほしいことがあるなら、何をしてほしいのか言ってもらう。

できることならする。

難しければ断る。

それだけにした。

「嫁」という言葉に全部入れなくていい

しばらくして義実家へ行ったとき、義母から、

「今度の法要、お茶出しお願いしていい?」と聞かれた。

以前なら、「嫁なんだから当然」という言い方だったと思う。

私は、「その時間ならできます」と答えた。

お願いされれば、できる範囲で手伝う。

それは嫌ではない。

私が嫌だったのは、「嫁」という一言だけで、立場も役割も勝手に決められることだった。

葬儀の日、夫が義母に言った、

「都合のいいときだけ家族なの?」

という言葉を、今でも覚えている。

私自身もうまく説明できなかった違和感を、あの一言が言葉にしてくれたからだ。

家族だから手伝うことはある。

でも、家族だから何を言われても従うわけではない。

そして、「部外者」と扱われながら、家族としての義務だけ求められる必要もない。

今はそう思っている。

さいごに

親族の集まりでは、「嫁だから」「婿だから」と役割を決められることがあります。

手伝うこと自体は嫌ではなくても、自分の立場を軽く扱われながら義務だけ求められると、違和感が残ることもあります。

大きく言い争わなくても、「何をお願いしたいのか具体的に言ってほしい」「それなら今回はできない」と線を引くことはできます。

もし「あなたは家族ではない」と言われながら、家族としての役割だけ求められたら、あなたならどう伝えますか?

※本記事は、実際の体験談をもとに作成しています。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

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