放課後、うちに集まるのがいつの間にか定番になった。お菓子を並べ、子どもは積み木。私は洗濯物を畳みながらおしゃべり。楽しい。けれど、ひとりだけ時計を見ないママ友がいる。
「もう遅いね」を2回言っても
最初は驚かなかった。話が弾んで、気づけば21時。私は笑って「もう遅いね」と言った。相手は「まだ平気だよね? 子どもも起きてるし」とソファに腰を戻す。
別の日は、私がコップを集め始めたタイミングで「手伝うから、もうちょっとだけ」。私は「明日の支度があるから」と返したのに、「帰る帰る」と言いながら、翌日のドラマの話まで広げていく。子どもはパジャマ姿であくびが増えた。
その次は、時計が22時半を回っても腰が上がらない。私は声を少し強くして「明日、朝練があるんだ」。相手は「じゃあもうすぐ帰るね」と笑うけど、手はお菓子の袋に伸びたまま。
23時が近い夜、私はここで終わりにすると決めた。子どもの目がとろんとしている。明日の弁当の下ごしらえも残っている。今しかない。
「今日はここまでね」と告げたら
立ち上がって、カップをシンクに運ぶ。「今日はここまでね。寝かせたいから、帰ろう」。玄関の方へ体を向けると、相手が小さく息を吐いた。
「…家、静かでさ。帰りたくなくて」
意外な言葉だった。聞くと、夫は出張続きで、夜は一人になるという。「子ども寝かせると、音がしないの。テレビつけても、なんか無理で」
私は靴箱から相手の靴を出して渡した。「しんどいね。でも夜は無理。昼間なら会えるよ。平日なら公園かカフェ。家にいるのは夕方は17時半までにしよう」
相手はうなずいた。「ごめん。分かってたけど、つい居心地よくて」
「帰りたくない」の裏にあった事情
居座られてる、と決めつけていた。けれど、あの「帰りたくない」は弱音だったんだと思う。だからといって、夜に長居を受け入れるのは違う。うちの夜の時間は、家族の支度と休むために使いたい。
それからは、時間を先に伝えるようにした。誘うときは「16時から17時半までね」。招く回数も調整して、夜の来客はやめた。相手からは昼間に「今日どう?」と連絡が来る。私も都合が合えば返し、無理な日は「今日は無理」と短く伝える。
夜の長居はなくなった。苛立ちがゼロになったわけじゃないけど、時間の線引きを言葉にしたら、私も相手も少し楽になった。
さいごに
言いづらいひと言は後回しにしがち。でも、短い合図が家のリズムを守ってくれます。相手の事情が見えると、距離の取り方も変えられますよね。あなたなら、どんな合図にしますか?
※本記事は、実際の体験談をもとに作成しています。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。



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