彼と付き合い始めて、まだ2ヶ月も経っていなかった。
スマホに届いた通知を見た瞬間、思わず二度見した。彼のお母さんから、突然PDFが送られてきたのだ。
「洗濯物は必ずネットに入れて」──資料、第1弾
彼のお母さんは60代の元教師。
初めて挨拶したときから「この子のことは私が一番わかってますから」と笑顔で言い切るタイプで、その言葉の重さは薄々感じていた。
彼のお母さんから連絡先を聞かれ、LINEを交換した。
でも、まさかその場でPDFを送ってくるとは思わなかった。
内容は「息子の洗濯物の正しい干し方」。縦型か横型か、ネットの素材、乾燥機はNG、仕上げに軽くたたいてシワを伸ばすこと——びっしり書いてあった。
「……私、まだ彼のお家で洗濯をしたこと無いんですけど」
資料を声に出したらなんだか笑えてきた。
「食の好み」「睡眠リズム」──資料、第2弾・第3弾
それから数週間で、立て続けにPDFが届いた。
「息子の好きな食べ物・苦手な食べ物リスト(季節別)」
「息子の睡眠リズムと起こし方のコツ」
季節別、という謎のこだわりが地味に刺さった。
「愛情が深いんだな」と自分に言い聞かせてみる。元教師だから、資料を作るのが得意なんだろう、と。
でも、何度読み返しても、”将来の嫁候補”として私に向けられた資料というのは明らかで——なんというか、採用試験の研修資料みたいだな、と思った。
友達に話すと「え、うちも!」が止まらない
たまらなくなって、仲のいい友人3人に打ち明けた。
「ちょっと聞いて、彼ママからPDFが届いて……」
言い終わる前に、Aちゃんが「わかる、私も彼のお母さんから長文のLINEきた!旅行の荷物リスト」と返してきた。
Bちゃんは「うちは電話で口頭レクチャーだった。30分くらい」。
Cちゃんに至っては「手書きのノートで渡された。バインダーつき」。
……バインダーつき!?
本当にたまたまなんだろうけど、グループトークが一気に「あるある共有会」になった。みんな笑いながら話すけど、目が笑っていないのは私だけじゃなかった。
「重いな」と感じた私は、おかしい?
彼のお母さんが息子を大切にしているのは、本当に伝わる。
悪意はゼロだと思う。むしろ、善意100%がしんどい。
「息子のことをよく知ってほしい」という気持ちはわかる。でも、交際2ヶ月の私に届く資料の量は、どう考えても少し……多い。
彼に相談したら「え、そんなの送ってたの?ごめん、全然知らなかった」と言われた。
知らなかったのか。それはそれで、ちょっと別の話な気もするけれど——まあ、今日のところは置いておこう。
さいごに
「息子かわいさのあまり」な行動、受け取る側にはじわじわ重くのしかかる。でも同じ経験をした人がこんなに多いなら、あなたの「重いな…」という感覚はぜんぜんおかしくない。そんなモヤッと経験、あなたにもありませんか?
※本記事は、実際の体験談をもとに作成しています。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。


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