小学校のPTA役員として、もう2年近く一緒に活動してきたAさん(仮名)。いつも笑顔で「子どものためにがんばろうね」と言う彼女のことを、私は本当に信頼していた。
——あの日、夫のスマホ画面を偶然のぞいてしまうまでは。
「子ども同士仲良いから、LINEしてるだけだよ♡」
きっかけは本当に些細なことだった。
夫のスマホがテーブルに置いてあり、着信通知が何度も光っていた。
名前はAさん。
「え、なんで?」と思いながら夫に聞くと、「子ども同士が仲良いから、たまに連絡取り合ってるだけ」とあっさり答えた。
確かに息子同士は同じクラスで仲良し。でも「たまに」にしては、通知の数が多すぎる気がした。
翌日のPTA作業中、Aさんはいつもと変わらず私に話しかけてきた。
「うちの子が最近あなたの息子くんのこと大好きみたいで〜♡ 子どものためにも私たちも仲良くしようよね♡」
——そのセリフが、妙に耳に残った。
違和感が確信に変わっていった3ヶ月
「気のせいかも」と思おうとしたけれど、一度気になり始めると止まらない。
夫が「ちょっと外出てくる」と言ってスマホを持って出る回数が増えた。
帰りが遅い日に限って、Aさんのインスタのストーリーが深夜に更新されていた。偶然かもしれない。でも偶然が重なりすぎていた。
私は感情的に問い詰めるのをやめた。そのかわり、静かに記録を始めた。
夫のスマホの着信履歴を、気づかれないタイミングでメモに書き留めた。
Aさんのインスタ更新時刻のスクリーンショットを日付つきで保存した。夫が「残業」と言った夜の帰宅時刻もメモした。3ヶ月で、ノートは小さなエビデンスでいっぱいになっていた。
感情を出したら負けだと、なぜかそのとき直感していた。
「仲良くしようよ」と言った口で、何をしていたのか
転機は、PTAの役員全体ミーティングの直前だった。
その日の朝、夫のスマホに届いたAさんからのLINEを、夫が開いたまま置き忘れていった。内容は書かない。でも「子ども同士が仲良いから」で説明できるものでは、まったくなかった。
私はその画面のスクリーンショットを撮った。手が震えていたけれど、声は出さなかった。
ミーティングには、会長のBさん(仮名)も出席していた。
Bさんは地域でも顔が広く、PTAの人事にも深く関わる立場の人。この場で話すなら、Bさんがいるタイミングしかないと思っていた。
議題が一通り終わったあと、私は静かに手を挙げた。「少し、個人的な話をしてもいいですか」と切り出し、Bさんと数名の役員が残る中で、私はノートとスマホを取り出した。
「Aさん、これを見ていただけますか」
Aさんの顔が、みるみる青ざめていった。
言葉を失ったAさんが、自ら選んだこと
「これは……その、子どもたちの話をしてただけで……」
Aさんはそう言いかけたけれど、私のノートには日付と時刻が几帳面に並んでいた。
「残業中」の夫の帰宅時刻と、Aさんの深夜のインスタ更新。日付ごとに書き留めた通話履歴のメモ。そしてあのLINEの画面。
Bさんが静かに「Aさん、これはどういうことかしら」と言った。その一言で、Aさんは黙り込んだ。
「子どものためにも仲良くしようよ」と言っていた彼女が、「すみません」しか言えなくなっていた。
その後——静かに変わった日常
翌週、Aさんは体調不良を理由にPTA役員を辞退した。
子ども同士も自然と距離ができ、息子は別のお友達と遊ぶようになった。
夫とは長い話し合いの末、今は関係を立て直す途中にある。簡単ではないけれど、少なくとも「知らないまま」でいるよりはずっとましだと思っている。
さいごに
あのとき感情をぶつけなかったのは、強かったからじゃない。取り乱したら、何も見えなくなると思ったから。
「おかしい」と感じた直感は、案外正しいことがあるかもしれませんね。冷静に記録を積み重ねることが、自分を守る一番の手段になることもある——同じようなモヤモヤを抱えている方に、少しでも届いたらうれしいです。
※本記事は、実際の体験談をもとに作成しています。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。


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