毎朝5時半に起きて、お弁当を詰めて、保育園の連絡帳を書いて
——気づけば「夫に任せるより自分でやった方が早い」が口癖になっていた。
でも、その言葉が積み重なった先に、ちょっと苦しい気づきが待っていた。
「頼むより早い」と思い続けた日々
洗濯は私。風呂入れも私。夕飯の献立を考えるのも、保育園の持ち物チェックも、ぜんぶ私。
夫が悪い人かというと、そうでもない。頼めばやってくれる。でも「頼む」というひと手間が、なぜかひどく面倒に感じていた。
やり方を説明して、確認して、もし抜けがあったらフォローして……それなら最初から自分でやった方が早い。そう思って、また動く。その繰り返し。
気づけば私の担当タスクはどんどん増えていって、夫はソファに座ったまま「おつかれ」と言うだけになっていた。
38度の熱が、全部を止めた
ある平日の夕方、急に頭がずんと重くなった。体温計を見たら38.2度。
「今日は無理だ」と思った瞬間、逆に怖くなった。
——ご飯は? お風呂は? 明日の保育園の準備は?
いつもなら全部こなせるのに、今日は何もできない。体が言うことをきかないのに、頭だけがぐるぐる回っていた。
夫に「熱が出た」と伝えると、珍しく表情が変わった。
「え、大丈夫? 横になって」と言って、キッチンに立った。
夫がキッチンに立つのを、私は初めてちゃんと見た気がする。
「なんで言ってくれなかったの」という言葉
しばらくして、野菜と卵が雑に混ざった炒め物が出てきた。味は……うん、やさしく言うと「素朴」だった。
でも、子どもはパクパク食べていた。
食べ終わった頃、夫がぽつりと言った。「いつもこんなに大変だったの? なんで言ってくれなかったの」
その言葉が、じわっと胸に刺さった。
——言わなかったんじゃなくて、言えない状況を自分で作っていたんだ。
完璧にこなし続けることで、夫が「手を出す隙間」をなくしていた。頼りたかったのに、頼り方を忘れていたのかもしれない。
「自分でやった方が早い」その先へ
熱が下がった翌朝、夫が先に起きて子どものご飯を用意しようとしていた。卵の割り方がちょっとおぼつかなかったけど、口は出さなかった。
出さなくていいんだ、と思えた。
「完璧じゃなくていい」って頭ではわかっていたのに、自分のやり方を手放すのがこわかった。それが「全部ひとりで抱える」に繋がっていたんだと思う。
さいごに
「なんでも自分でこなせる私」を守ろうとするほど、パートナーとの距離が広がっていくことって、あるかもしれませんね。
うまく頼れない日が続いているなら、ちょっとだけ「下手でもいい、やってもらおう」と手を離してみる——そんな小さな一歩が、意外と関係をほぐしてくれることもあります。
※本記事は、実際の体験談をもとに作成しています。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。


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