子どもの習い事でつながったママたちとのグループLINE。
最初は発表会や持ち物の話でにぎやかだったのに、私の返事だけが流れていく日が増えた。
スマホを裏返して、台所で水を一杯飲んだ。嫌な予感はだいたい当たる。
「早めに動く家は差がつくよね〜」
中心は、みんなが“梨香さん”と呼ぶ30代後半のママ。習い事のスケジュールや塾の口コミをよく流すので、最初は助かっていた。
ただ、その文末にいつも小さな棘が混じる。
「早めに動ける家と、そうじゃない家で差がつくよね〜」
「うちのクラス、意識高めで助かる♡ 全員じゃないけどね」
名指しはしない。でも読んだ側が誰かを思い浮かべる言い方。モヤっとした日は、子どものノートを閉じて洗濯物をたたんだ。手だけが動く。
「お茶会」の案内が私だけ来ない日
ある日、子どもが言った。「きのう○○ちゃんのお母さんたち、みんなでカフェに行ったんだって。いいなー」
私はグループのトークをさかのぼった。お茶会の話はどこにもない。個別で誘っていたのだと分かった。以降、連絡の端々で“私だけに届かない案内”が続いた。
取り乱すのはやめた。そう見られたら「気にしすぎ」で片づけられる。代わりに、返信が減っていた二人に個別で声をかけた。
個別に、確かめ合った
「実は、私も最近スルー多いなと思ってた」由美さんが言った。
「先月のお茶会、私も知らなかった。多分、呼ばれてないよね」恵さんが肩をすくめる。
話して分かったのは、見えない役割のこと。梨香さんが「こうしよう」と投げると、先生への確認、店の予約、当日の写真共有、集金の取りまとめを、私たち数人が回していた。
誰に頼まれたわけでもない。回らないと困るからやっていただけだ。
ところが最近は、その“実務組”だけが集まりから外されていた。偶然とは思えなかった。
3人で決めたのは一つ。「もう、無理して付き合うのはやめよう」。
わざわざ宣言するつもりもなかった。
「気の合う人だけが幸せ♡」が引き金に
数日後、グループに梨香さんの投稿が入った。
「今日のお茶会、気の合う人たちだけで集まれて本当に幸せ♡ こういう時間が一番大事だよね〜」
笑顔の写真とカフェのスイーツが並ぶ。
私は由美さんと恵さんに個別で「今だね」と送った。二人から「うん」。
私はメンバーリストを開き、退会をタップ。数秒差で「○○が退会しました」と3つの通知が続いた。画面の向こうで、誰がそれを見ているかは想像できた。
段取り役が抜けたグループのその後
翌日、梨香さんから個別に来た。「急にどうしたの? 何かあった?」
私は短く返した。「特にありません。お互い、気の合う人たちで集まれたほうが幸せですよね」
既読は早かったが、返事はなかった。
後日、由美さんと個人的につながっていた別のママから、その後の様子を聞いた。
以前より段取りが決まらなくなり、店の予約や先生への確認も「誰かお願い」のまま止まることが増えたらしい。
集金の話もなかなかまとまらず、次の集まりも結局なくなったという。
情報を投げる人はいても、動かす人がいなければ回らない——それがはっきり出た。
その後
私たち3人は、今は近所のパン屋で気が向いたときだけ会う。
店の予約も当番もない。「来られたら来て」で十分。
誰かが無理をしない約束にしたら、会う時間が前より楽しくなった。
さいごに
「気の合う人だけ」と言いながら、人を選んでいた側が、実は周りの手で成り立っていた——そんな話でした。
がまんして抱え込むより、静かに離れる選択もありますよね。
あなたなら、どこで手を放しますか?
※本記事は、実際の体験談をもとに作成しています。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。


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