出産前まで保育士として働いており、今は幼稚園に通う娘を育てています。
仕事柄、子どもの写真は基本的にSNSに載せない方針でした。顔が写っていなくても、制服や名札、持ち物から特定につながる可能性を知っていたからです。
週末、園のママ友グループにBさんから「見てね」と投稿リンクが届き、胸がざわつきました。
なんとなく嫌な予感がした通知
リンクを開くと、園の行事後に撮った集合写真がそのまま投稿されていました。そこには娘の顔もはっきり写っており、思わず息が止まりました。投稿者は同じクラスのAさんで、いつも写真をよくアップしている方でした。
私はすぐAさんへ個別に連絡し、「うちの子の写真は事前に確認してほしいです。可能なら下げてもらえますか」と丁寧に送りました。角が立たないようにしつつ、線引きだけは伝えたかったのです。
確認なしの投稿に方針が踏みにじられる
翌朝の登園時、私はAさんに直接「昨日の写真の件、お願いできますか」と声をかけました。Aさんは悪気がなさそうにスマホを見せ、「みんな可愛く撮れてるよね」と軽い調子でした。
私が「顔も分かるので、うちは載せないようにしているんです」と伝えると、Aさんは小さく笑いました。こちらが真剣であるほど、相手の軽さが際立ち、気持ちがさらに揺れました。
私は「特定が怖いので、せめてスタンプで隠すか、投稿を下げてほしいです」と具体的に頼みました。するとAさんは肩をすくめて、「顔小さいし大丈夫でしょ」と言いました。
私は言葉を失いかけましたが、「大丈夫かどうかではなく、載せない方針なんです」とだけ繰り返しました。Aさんは「あとで考えるね」と曖昧に言い、そのまま去っていきました。
同じことが起きて空気が変わる
数日たっても投稿は残ったままで、私は園で顔を合わせるたびに落ち着きませんでした。ただ、強く責めてもこじれるだけだと思い、私は自分からはそれ以上動けずにいました。
そんなときBさんが写真データを整理していて、「Aさんの子も写っている写真があるけど、載せる前に確認したほうがいいかな」と小声で聞いてきました。私は「うちは無断で載せられて困ったので、確認は大事だと思います」とだけ答え、投稿を勧めるようなことは言いませんでした。
翌日、Bさんがその写真をAさんと同じSNSに投稿してしまいました。Bさんは普段、園ママ同士を“友だち限定”で共有しており、その日も同じつもりだったそうです。ただ、操作を急いだせいで公開範囲の設定を間違え、Aさんの投稿と同じ範囲で表示される形になっていました。悪意ではなく、いつもの延長で起きたうっかりだったのかもしれません。
ブーメランで謝罪、そして距離感が整う
その日の夕方、Aさんが早足で園に来てBさんへ向かい、「ねえ、うちの子の写真、勝手に載せたよね?」と低い声で言いました。Aさんは「家族に指摘されて怖くなったの。消して。ありえない」と続け、周りの空気が一気に固まりました。
Bさんは青ざめて「ごめん、今すぐ消す」と言い、スマホで削除しました。私はこの場で責め合いにならないよう、短く要点だけを伝えるべきだと考えました。
私は静かに、「今、Aさんが言ったことを、私は前から伝えていました」と言いました。
Aさんは固まり、視線が泳ぎました。少し間があってから、「…ごめん。あなたのときは軽く考えてた。自分の子のことになると急に怖くなって」と小さく言いました。そして「私の投稿も消す。今までごめんね」と続けました。
その場でAさんは自分の投稿を削除し、以降は写真を上げる前に「載せてもいい?」と一言確認するようになりました。私も、必要以上に近づかず、挨拶と最低限の会話に留める距離感に戻しました。
誰かを言い負かしたかったわけではありません。それでも、踏みにじられた感覚が本人の言葉でほどけていくのを見て、ようやく肩の力が抜けました。子どもの写真は、各家庭が安心できる形で守っていいのだと、あらためて感じました。
※本記事は、実際の体験談をもとに作成しています。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。


コメント