デジタルハリウッドSTUDIOが主催する、「主婦・ママクラス」10周年を記念したメディア向け勉強会に先日参加しました。
この勉強会では、直近10年間の主婦・ママの育休中や子連れ通学などでの学び直しやキャリアチェンジに関する振り返り、そして最新のトレンドについて、デジタルハリウッド担当者からお話がありました。
また、東京で学んで九州で起業された先輩ママ、仙台で学び直してフリーランスや契約社員を経て現在は東京の企業のリモート正社員として仙台で働くママ、コロナ禍をきっかけに学び直して国際線CAとWebデザインの複業をするママ、そして元美容師の専業主婦から学び直して時短のWeb事務職の正社員となったママなどから生の体験談などが紹介されました。
今回は、その内容をレポートとしてお届けします。
主婦・ママのキャリア10年を振り返る
勉強会は、デジタルハリウッド株式会社スクール事業部のシニアマネージャーでSTUDIO事業を担当する原田紀子さんによる、2013年以降の主婦やママのキャリア感や社会の動きについての振り返りからスタート。
2013年〜
スマートフォンからのWeb閲覧がPCと同等になり、在宅ワークの需要が急増しました。「デザインのお仕事で在宅ワーク」というワードが登場し、デジタルハリウッドSTUDIOは「Webデザイナー専攻 主婦ママ専用クラス」を開講。
多くのママが、子育てと両立できるスキルを身につけたいと考え、この講座に参加しているそうです。
2016年〜
働き方改革が進み、副業やフリーランスが注目されるように。ママたちも自分らしい働き方を求め、デザインやITスキルを習得して、フリーランスとして活動するケースが増加しました。
2020年〜
コロナ禍の影響でリモートワークが広がり、在宅でできるWebデザイナーやデジタル関連の仕事がさらに人気に。これに伴い、企業のデジタルシフトが進み、Webデザイナーの求人が増えました。
ママたちにとってもフルリモートで働けるチャンスが広がり、柔軟な働き方が可能になりました。
2023年〜
経済産業省がリスキリング支援制度をスタートし、デジタルデザインスキルの需要に応える学び直しがさらに広がりました。デジタルハリウッドSTUDIOでは、事務職とWebデザインを組み合わせた「Web事務」という、新しい学びのスタイルが注目されています。
学び直しの最新トレンドである「Web事務」は、従来の事務職に加えて、Webサイト管理やデジタルマーケティングなどのスキルをあわせ持ちます。とくに、リモートワークが増えた今、事務職×Webデザイナーなどのスキルが高く評価され、時短などでも正社員の求人が急増しているそうです。
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会場と地方を繋いだ4名の卒業生ママクリエイターによるトークセッションでは、それぞれのママたちが、学び直しを経てキャリアチェンジを実現し、子育てと仕事を両立させた体験をシェアしてくれました。
有田絵梨さん(Web集客コンサルタント)
結婚を機に専業主婦になった有田さんは、家族時間を大切にするためにWebデザイナーとしてフリーランスで活動を開始。
2020年には女性のキャリアに関するコンサルティング会社を起業し、Web集客の仕組み作りをサポートや、海外駐在員に帯同したママさんたちのキャリア形成の相談なども受けているそうです。
ご自身の経験から、フリーランスで活動中、東京から熊本に引っ越しましたが、活動の場が変わってもWebデザイナーの仕事を変わらず続けられた事はメリットだと感じています。
世の中は、まだまだ主婦は保育園に子供を預けて働きに行くという考えがある中で、自分は働き方を選ぶことができるようになったことがリスキリングをしたメリットと感じています。
橋本みかさん(ほぼリモートワークの正社員)
育児や自身の身体があまり丈夫ではない事もあり10年ほど専業主婦をしていました。
10年のブランクがあるので、当時は外に働きに出る事は考えられませんでしたが友人からのチラシ制作の依頼をきっかけに“在宅で働く”という選択肢もある事に意識が向き、Webデザインを学ぶことを決意。
下の子供の小学校入学を機に、仙台でデジタルハリウッドに入学。
卒業後は、フリーランスやパート、契約社員など同期生とも協力しながら様々な形での働き方を経験し、今は地方在住ではありますが、東京の企業の正社員としてリモートワークで働いて家庭との両立をしています。
そして、デジタルハリウッドSTUDIO仙台のトレーナー(講師)も副業で兼任しています。
以前の自分は先の不安ばかりで一歩踏み出すことができずにいましたが、スキルを身につけたあとは、学んだことを活かしてどんな働き方をしようかなと考えてワクワクすることが沢山ありました。
今はリモートワークが活かせるスキルと会社のおかげで、仕事をしながらも子供が帰ってきた時に『おかえり』と言ってあげられる事が嬉しいです。また、遠方に住んでいる年をとった両親にサポートが必要な時にも、働きながらそばにいるという選択もある程度はできるので、とてもありがたいです。
どの働き方が正解というわけではなく、その時々のライフステージに合った働き方は様々です。私もこの先、もしかしたら今の働き方が合わなくなる事があるかもしれません。それでもこのスキルがあるということは強いと思っていて、私にとっての『お守り』だと思います。
少し前の自分と同じように、外に出る事に対して不安に思っている方や、不安で動けなくなっている方、働き方に悩んでいる主婦ママの方が1人でも多く前向きになって、一歩踏み出す際の勇気に繋がってくれたらいいなと思います。
三橋由美さん(パラレルキャリア)
航空業界でのキャリアを持つ三橋さんは、1人目の育休の時にさまざまな副業を経験。スタイルに合わなくて辞めてしまったのですが、2人目の育休中に夫のススメでWebデザインをパソコンスキルほぼ0の状態から学び、航空業とWebデザインの両方で働くパラレルキャリアを実現。子育てをしながらも複数のキャリアを両立させています。
当時は国によるリスキリングの制度は無く、勉強への投資に不安がありましたが一歩踏み出せた自分を今では褒めてあげたいくらいです。
ママたちのなかにはまだ「一度就いた職を定年まで」という考えの方も多くいらっしゃいますが、自分が発信することで働き方に悩んでいる方にこんな道もあるんだよと伝えていきたいです。
岸彩子さん(時短勤務のWebデザイナー)
結婚と妊娠をきっかけに美容師を辞め専業主婦に。
Webデザイナーとして未経験からスキルを習得。卒業後は、デスクワークも初めてですし、フリーランスでいきなり仕事を取ることは難しいと感じていました。
でも、受講生仲間からママの就業支援に特化した「マザーズハローワーク」を紹介され、今の仕事とのご縁を頂きました。現在はイベント会社でWebデザイナーと事務として時短で勤務し、家庭と仕事のバランスを取っています。
同じようにリスキリングをしたママたちの卒業生コミュニティに入った事によって、多用な働き方や自分に合った働き方ができるという事を知る良いきっかけになったと思います。
Webデザインと事務を兼務しているので、Webデザインで行き詰ったときに事務仕事をして一度頭をリフレッシュするとすんなりコードが書けたり、自分なりの働き方ができています。
ママたちの学び直しと働き方の未来
厚生労働省管轄のマザーズハローワーク東京・木村室長のお話では、育児と仕事を両立させるためのサポート制度について伺いました。
マザーズハローワークは、子育て中のママが再就職しやすい企業での求人や、就職支援セミナーなど、きめ細かいサポートを提供しているそうです。
デジタルスキルを身につけることで、家庭や地域を離れずにキャリアを築くことができる環境が整ってきているので、これからはもっと多様な働き方が進み、ママたちがキャリアを自由に選択できることが期待されます。
今回の勉強会では、直近10年の主婦・ママのキャリア形成の振り返りから、最新トレンドまで、お話を伺うことができました。
とくに“事務職×Web”が、今後の主婦・ママにとって、自由度の高い働き方を自身で選択するための重要なスキルとなりつつあることが印象的でした。
リスキリングで最大7割の受講料が支給される制度
また、デジタルハリウッドSTUDIOのように経産省の「リスキリングを通じたキャリアアップ支援事業(※)」に採択された教育機関で、条件を満たせば、最大7割の受講料が支給される制度などもあるため、こういった機会を活かして子育てとキャリアの両立を目指す女性にとって、学び直しの機会を活かして新しいキャリアを築くことは、今後ますます身近な選択肢になるのではないかと思います!
※経産省の「リスキリングを通じたキャリアアップ支援事業」公式サイト
https://careerup.reskilling.go.jp/worker/
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