女性の身体に毎月訪れる「生理」。
デリケートゾーンのかゆみやかぶれ、気になる臭いなど、悩みは尽きないですよね。
そんな時は優しい使い心地の「布ナプキン」がおすすめ!
ここ数年ファッション雑誌にも取り上げられる機会が増え、可愛いデザインや使いやすい形の布ナプキンが増えています。身体への影響やメリット・デメリット、気になる洗濯方法など、実際に布ナプキンを愛用する筆者が詳しく紹介します。
生理用品の種類と特徴
皆さんは毎月の生理用品をどのように選んでいますか?
定番の使い捨てナプキンを使われる方も多いかと思いますが、最近では3Coinsやユニクロが吸水ショーツを販売しており、月経カップも種類を増やしています。ここでは主な生理用品の種類と特徴を5つ紹介します。
紙ナプキン
まずは生理用品の中でも定番アイテムである紙製のナプキン。
夜用・昼用・羽根つきなど種類豊富で持ち運びに便利な上、使い捨てできるため後始末も簡単です。
コンビニやドラッグストアなど、身近な店舗で扱っているので手に入りやすいのも魅力ですね。しかし、素材によっては肌に合わずかぶれてしまうことも。長時間使用することで臭いやムレが気になる方も多いようです。
タンポン
身体の外に出る経血を受け止めるナプキンとは違い、膣内で経血を吸収するタンポン。
経血が肌に直接触れないのでムレにくく、肌荒れしにくい上に嫌な臭いも抑えられます。
量が多くてもドバっと出る不快感が抑えられるのが嬉しい商品ですね。
コンパクトで持ち運びにも便利ですが、膣内に挿入することに抵抗感を感じる人も多く、あまり日本では普及していない印象です。
月経カップ
タンポンと同じく、月経カップも膣内に入れて使用するタイプの生理用品です。
柔らかいシリコン製のカップで経血をキャッチし、一定時間溜めたら中身を捨てて洗うことで繰り返し使用できます。
長時間の装着が可能なので、すぐに交換できない時には便利ですね。
タンポン同様装着への抵抗感と、煮沸消毒が必要なのでお手入れが面倒だと感じることも。
布ナプキン
使い捨てナプキンと同じような使い方ですが、素材が布でできており肌への刺激が少なく、かゆみや臭いが軽減しやすいメリットがあります。
洗って繰り返し使えるため経済的で、ゴミも出ません。
デメリットとしては毎回洗濯が必要なことと、外出先での使用済み布ナプキンの持ち運びが不便なこと。洗濯はまとめてつけ置き洗いをして洗濯機でOKですし、持ち運びは消臭機能付きポーチが便利です。
吸水ショーツ
近年、3Coinsやユニクロなどの大手企業も商品を出している話題の吸水ショーツ。
ショーツ自体が経血を吸収してくれるため、他のアイテムと比べて使用中の違和感や不快感は少ないでしょう。体にフィットするため漏れも軽減でき、洋服に響きにくいのも嬉しいポイント。
一方で、外出先での交換がしにくく、経血の量が多い日にはナプキンとの重ね漬けが必要なため、経血量が少ない日に使用するのがおすすめです。
布ナプキンのメリット・デメリット
多々ある生理用品の中でも、比較的使用がしやすく、繰り返し使用できるため経済的にも環境にも優しい「布ナプキン」。
生理中の悩みに嬉しいメリットもたくさんあります。今回は布ナプキンについてメリット・デメリットを詳しく紹介していきます。デメリットと比較して、ご自身に合いそうか考えてみてくださいね。
布ナプキンのメリット
【メリット①】身体に優しい
布ナプキンは綿などでできた布を何層も重ねて作られているため、優しい肌触りで肌を痛めにくく、粘着面がないので通気性に優れていてムレにくいのがメリット。
使い捨てナプキンに吸収体として使用されている高吸水性高分子(ポリマー)は、水分を含むとゼリー状に固まり次第に冷たくなるため、身体の熱を奪ってしまうことがありますが、布ナプキンを使うことで冷えを感じにくくなるという声も。
洗濯の手間はありますが、経血の量や色などを自分で把握できるので、身体の変化にも気づきやすくなります
【メリット②】色柄を選べて楽しい
自分好みのデザインや好きな色を選べるのも、布ナプキンの嬉しいメリットのひとつです。
ナチュラルテイストなものから色鮮やかな花柄、レースやポップなものなど、さまざまなデザインが作られているのでファッション感覚で楽しく選べます。
自分で好きな柄の布を買ってきて自作することもできるので、お気に入りの一品を作ってみるのも良いかもしれませんね。ブルーな日をお気に入りのグッズでハッピーに乗り越えられるでしょう。
【メリット③】ストック不用で経済的
使い捨てナプキンはドラッグストアやコンビニなどで手軽に購入することができますが、常に買い置きが必要ですし、うっかり買い忘れてしまった場合は慌てて買いに行く羽目に…。
布ナプキンは洗濯して繰り返し使えるので、ストックの有無を気にする必要はありません。初期費用は掛かりますが、長期的に使用すれば使い捨てナプキンに比べてリーズナブルと言えるでしょう。
【メリット④】環境に優しい
毎月の生理で使い捨てナプキンを1日4~5枚使用した場合、閉経までの約40年で、なんと1万枚以上のナプキンをゴミとして捨てていることになります。
水分を多く含んだ使い捨てナプキンは燃えにくく、焼却にも多くの燃料が必要になります。
一方、布ナプキンは洗って繰り返し使えるのでゴミが出ず、使用期間を過ぎて処分する際も、天然素材を使っているため有害な汚染物質を多く出すことなく焼却することができます。
【メリット⑤】初潮時のアイテムとして
女の子を育てているお母さんの中には、いつかくる娘の初潮の日をどうやって迎えようかと頭を悩ませる方も少なくないのでは?
布ナプキンはお手入れこそ大変ですが、娘さんの体調を経血の量や状態を直接見ることで確認でき、自分の身体を労わる経験を与えることができます。
肌触りも良く、使い捨てナプキンのように粘着面の「ビリッ」という音がしないので、デリケートな年齢のお子さんでもご家庭内や外出先で安心して使うことができますよ。初潮用のセット販売をしている店舗もあるので、ぜひチェックしてみてください。
【メリット⑥】尿漏れ対策にも
布ナプキンは生理用品としてだけではなく、妊娠中や産後、年齢と共に起こる尿漏れ対策としても使える優れもの。
専用の尿漏れパッドに比べて機能は劣りますが、多少の尿漏れであれば布ナプキンでもしっかりと吸収してくれます。数日で終わる生理時よりも長期間肌に当てるものなので、刺激も少ない方が嬉しいですよね。
ただ、つけっぱなしにすると雑菌が繁殖しやすいので、こまめに交換するようにしましょう。
布ナプキンのデメリット
次からはデメリットを紹介します。
【デメリット①】洗濯が大変そう…
布ナプキンで1番気になるのは、やはり洗濯の手間ではないでしょうか。
「毎回手洗いするの!?」と不安になる方もいるかと思いますが、実は布ナプキンのお手入れは意外と簡単です。
水でさっと予洗い・つけ置き・洗濯機に投入!の3ステップで完了です。
記事の最後に詳しい洗濯方法を紹介しているので、そちらも参考にしてみてくださいね。
【デメリット②】漏れが心配
使い捨てナプキンやタンポンと比べて、布という不安定な素材は漏れの心配もありますよね。
布ナプキンは何層も重ねて作ってありますし、中に防水シートが入っているタイプや、夜用の大きいサイズもあるので、種類を選べば安心して使うことができます。
使い捨てナプキンでも量と合っておらずに漏れてしまったり、ずれることもありますよね。経血の量に合わせて、適したサイズを使ってこまめに取り換えるようにしましょう。
【デメリット③】持ち運びが不便
外出先で布ナプキンを使用する場合、家に帰るまで交換した布ナプキンを持ち続けなければいけません。
臭いや衛生面でも抵抗がある方も多いのではないでしょうか。
外出時には、防水・防臭効果のあるチャック付きポーチの使用をおすすめします。
また、旅行中は洗濯ができず、何枚もの布ナプキンを持ち歩くことは難しいため、旅行時や外出時は使い捨てナプキンを使用するなど、使い分けをすると良いと思います。
布ナプキンの選び方
さまざまなメリット・デメリットが分かったところで、今度は布ナプキンの種類を見ていきましょう。
布ナプキンは主に「一体型タイプ」「ホルダータイプ」「プレーンタイプ」の3種類に分かれます。それぞれの特徴を理解して、自分に合ったものを選んでみてくださいね。
初めてでも使いやすい「一体型タイプ」
一般的な使い捨てナプキンと同じような使い方ができるのが「一体型タイプ」。
羽根つきのような形で、ショーツにスナップボタンで装着できるのでしっかりと固定され、ズレにくいのが魅力です。
吸水用の生地を何層も重ねているため分厚く、乾くのに時間がかかるため枚数を多めに持っておくと良いでしょう。
外出先でも交換しやすい「ホルダータイプ」
ショーツに着けるホルダーと、吸収体が分かれている「ホルダータイプ」は、吸収体のみ交換すれば良いので、外出先での交換に便利です。
ホルダーと吸収体を重ねて着けるので、一体型よりも股の部分がかさばりやすいのがネックです。ホルダー自体はあまり汚れないので、交換用の吸収体だけ多く買い揃えればリーズナブルな価格で済みます。
折りたたんで使う「プレーンタイプ」
ハンカチのような四角い形をしたプレーンタイプは、折りたたんで使うので自分好みの使い方ができ、さまざまなシチュエーションで対応できます。
三つ折りにしてショーツの上に置いたり、吸収体としてホルダーに着けることも可能です。
汚れた部分を内側に折り込めば、1枚で2回分使えるのが嬉しいポイント。広げれば1枚の布になるので乾くのも早いです。
ただ、留め具がない場合が多くズレやすいので、布ナプキンに慣れてから使うのがおすすめです。
その他、おりもの用や使い捨てタイプも
「いきなり生理の日に布ナプキンを使うのは心配…」という方には、おりものシートとして使える小さめのタイプもあります。
形は一体型タイプのものが多く、薄手で毎日使える手軽さが魅力です。生理の終わりかけなど経血が少ない日にも使えますよ。
「一度試してみたいけど、持ち帰りや洗濯が面倒…」と心配な方は、使い捨ての布ナプキンを検討してみてはいかがでしょう。肌に当たる素材は布ですが、薄手のシートタイプになっており、手持ちの使い捨てナプキンに1枚重ねるだけなので手軽に試せます。使用後はそのまま使い捨てナプキンと一緒に処分すればOKです。
布ナプキンの使い方
布ナプキンの種類を選んだら、実際の使い方を紹介します。
一体型タイプ・ホルダータイプは羽根つきの使い捨てナプキンと同様に直接ショーツの上に重ね、羽部分をスナップボタンで留めます。ホルダータイプはその上にさらに吸収体を重ねます。
プレーンタイプはショーツの上にそのまま置いて使います。
留め具がないタイプはズレやすいので、慣れるまではホルダーに挟んで使用すると良いでしょう。
ショーツはビキニタイプのものがおすすめです。
ボクサーパンツなどは股の部分が広いためボタンが留められない可能性があります。サニタリーショーツももちろん使えますが、ツルツルした素材だとズレてしまうため、綿素材だと摩擦が生じやすく安定します。
汚れた布ナプキンの持ち運びかた
外出先で布ナプキンを使った場合、どのように持ち帰れば良いか不安な方も多いはず。
ここでは使用後の汚れた布ナプキンを持ち運ぶ際の方法や注意点を紹介します。
布ナプキンの折り畳み方
一体型タイプの布ナプキンは、スナップボタンがついているため、汚れた部分を内側に折り込んでボタンを留めればポケットティッシュのように小さくなります。
ホルダータイプやプレーンタイプの布ナプキンも、同様に汚れた部分を内側に折りたたんで持ち運ぶようにしましょう。
チャック付きの防水ポーチを使用
使用済みの布ナプキンは、中身が見えないタイプの漏れや臭いをブロックできるチャック付き防水ポーチを使用しましょう。
布ナプキン専用のお店では必ず取り揃えていますし、100円均一ショップやホームセンターなどで売っているチャック付きビニール袋などでも代用できますよ。
持ち帰る前にシュッとひと吹き!
そのまま持ち帰って家でつけ置きしても良いですが、交換後にひと手間くわえると汚れ落ちが早くなります。
洗剤やアルカリウォッシュを溶かした水(水300mlに対しアルカリウォッシュ小さじ1杯)をスプレーボトルに入れておき、肌面に3~4プッシュしておくだけでOKです。
布ナプキンの洗い方
最後に、布ナプキンの洗い方の手順を紹介します。
「予備洗い」「つけ置き」「本洗い~干す」の3ステップで完了です。
用意するもの
布ナプキンの洗濯で必要なのは、「つけ置き用の容器」「セスキ炭酸ソーダ(アルカリウォッシュ)」の2つだけ。
容器は、蓋つきのバケツなど経血の入った中身が見えないものが良いでしょう。
サイズや形はどんなものでも大丈夫ですが、プラスチック製だと容器に経血のにおいが移ってしまうこともあるため、気になる方はホーローの容器がおすすめです。
経血汚れを落とす洗剤は、ナチュラルクリーニングの洗剤として知られているセスキ炭酸ソーダ(アルカリウォッシュ)を使います。ドラッグストアなどでも売っているので手に入りやすく、お掃除にも使える優れものです。
①予備洗い
それでは早速洗濯していきましょう!
水か35度くらいのぬるま湯で、表面をさっと流します。
汚れが多い時は押し出すようにもみ洗いをすると、その後のお洗濯の汚れ落ちが良くなります。熱いお湯を使うと血液が固まってしまうため、使用する水の温度には注意しましょう。
②つけ置き
容器に1.5Lの水を張り、セスキ炭酸ソーダ(アルカリウォッシュ)を大さじ1杯入れます。
そこに使用後の布ナプキンを、経血が付いた面を下にして入れます。汚れの程度により約3時間~1日程度つけ置きします。
③本洗い~干す
つけ置きが終わったら、手洗いかネットに入れて洗濯機で洗います。脱水後、形を整えて天日干しします。
乾燥機の使用は縮みや型崩れ、防水布の痛みの原因になるので控えた方が良いでしょう。生乾きはカビの元なので、しっかりと乾かします。
おわりに
初潮から閉経まで、女性の身体と長く付き合っていく生理用品。
少しでも身体や環境に優しい商品を選びたいですよね。お気に入りの布ナプキンで、ブルーな日を快適に過ごしてみませんか?ご自分に合った使い方を探してみてくださいね。
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