「最近セックスレス気味だ」「セックスレスにならないためには何に気を付ければいいんだろう」
夫婦の悩みの中でも、センシティブでなかなか周りに相談しづらいのがセックスレスの問題です。
若いころや結婚当初は頻繁にあった性交渉も、加齢や生活環境の変化に伴い減少していく可能性があります。
ずっと若々しいカップルでいたい、パートナーにはいつまでも女性(男性)として見られたいと考える人にとっては、セックスレスは重要な問題かもしれませんね。
今回は、
・セックスレスに関する調査結果
・セックスレスのデメリットやメリット
・セックスレス予防法
などを紹介したいと思います。
より豊かな人生をおくるためのヒントになれば幸いです。
セックスレスの定義と割合は
セックスレスとは?
「セックスレス」とは、一般的にはどのような状態を指すのでしょうか。
セックスレスの法的な定義はありませんが、日本性科学会にて1994年に定義されたことによると「1か月以上なく、その後も長期にわたることが予想される場合」というのが目安とされているようです。
セックスレスの割合は
20代〜50代の既婚者男女4,000人に実施された調査では、68.2%が配偶者とセックスレス傾向にあり、このうち完全なセックスレスと回答した割合は43.9%にも上りました。
これだけレス状態の夫婦が多いと、今は問題なくても「将来的にセックスレスになるのでは」と不安になるかもしれませんね。
セックスレスは、お互い性欲がないなどの理由でその状態に満足している場合は良いのですが、どちらか一方でも不満を抱えている場合は家庭不和や離婚につながる可能性もあり、決して軽んじてはいけない問題です。
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「SHUFUFU」が実施したアンケートで、「夫婦同居中で配偶者と1年以上セックスをしていない人」を対象にしたアンケート調査結果があります。
「配偶者と最後にセックスをしたのはいつですか?」の問いに対し、最も多かったのが「1〜2年前(39%)」という答えでした。
次いで「5年以上前(29%)」、「2〜3年前(16.5%)」と、期間が短い夫婦から長期間セックスレス状態にある夫婦まで、満遍なくいるという結果になりました。
また、「配偶者とセックスをしない理由は?」の問いに対しては、1位の答えが「どちらも関心がない(52.5%)」で半数を占めました。
一方で2位は「妻側が拒否(29.5%)」、3位は「夫側が拒否(10.5%)」、4位は「お互いしたいができない事情がある(7.5%)」。
どちらか又は両方がしたい意思があるのにも関わらず、47.5%ものカップルがセックスレスに陥っているという結果になりました。
セックスレスのデメリットとは
セックスレスになることは、悪いことなのでしょうか。具体的にどのようなデメリットがあるのか、以下にまとめました。
子作り・妊活に影響が出る
当然のことですが、セックスレスになると子作り(妊活)がしにくくなります。
すでに子育てが終わっている年代には関係ない話ですが、これから子供が欲しいと思っているカップルにとってはまさに死活問題です。
日本産婦人科医会によると、女性の排卵4日前より排卵前日が妊娠しやすいタイミングであるとのこと。
この時期に1〜2日おきの性交が望ましいのですが、そもそもセックスレスになってしまっている場合はかなりハードルが高いです。
「緊張で最後までできなかった」「1回はまだ良いが連日のチャレンジはできない」なんてことにならないためにも、普段から定期的にセックスをしておく習慣があると、いざ妊活が始まった時にもプレッシャーを感じずにいられそうです。
セックスレスでも医療の力を借りることでも妊娠は可能です。
人工授精や体外受精は今や珍しいことではありませんが、女性側の体の負担が大きい上に、費用がかかるのも事実です。何度も病院に通うのも大変ですよね。
そういった意味では、定期的にセックスを行うカップルの方が比較的スムーズに妊活を始められるかもしれません。将来的に子供が欲しいけれどセックスレス傾向にある場合は、これ以上レスがすすまないように注意した方が良いでしょう。
性的な欲求不満やストレスがたまる
性的な欲求はあるもののセックスレスになってしまった、というケースもあるでしょう。その場合、当然ですが夫婦間ではその欲求を解消できません。
男性側も女性側も性欲が全く湧かないという場合は良いですが、どちらか一方がしたいのにできない場合は問題です。
セックスを誘ったのに拒否をされると傷つきますし、それが繰り返されると不満がたまります。拒否された側が風俗にハマってしまったり、不倫に走ったりと好ましくない行動に出る可能性もあります。
また、デリケートな内容のため
- 「セックスレスについてパートナーと話し合いをしたくてもできない」
- 「どうやって切り出せばいいか分からない」
という人もいることでしょう。
その場合、1人で悩んで抱え込んでしまったり、ストレスからイライラするようになって家族にきつく当たるようになり、家庭不和に陥る可能性もあります。
たかがセックスと思われがちですが、自分と相手が求める内容や頻度が大きく異なると不満が生まれやすいため、注意が必要です。
愛情が感じられなくなる
自分はしたいのに拒否されていてセックスレスになった場合、「自分に魅力がなくなったのではないか」「相手からの愛情が感じられなくなった」と悩んでしまうこともあります。
セックスは、性欲解消のためだけにあるのではありません。
好きな相手の体温を感じ、肌を寄せ合うことで、相手に愛されている実感や安心感を得ることもできます。
毎日愛の言葉をささやいたりキスをしたり、手をつないだりハグをしたりという行為があれば愛情を感じられるかもしれません。
しかし、そのような習慣がないカップルにとってはセックスが唯一のスキンシップです。無くなってしまうと、愛情を確認する重要な機会が奪われたように感じるかもしれません。
相手への気持ちが冷める
身体的に距離感ができることで、気持ちまで離れてしまうリスクもあります。
定期的に肌を触れあって気持ちを高める機会があれば、新婚当初や付き合ったばかりの時の気持ちを思い出したり、相手への気持ちを再確認できます。
セックスレスの場合その機会がなくなる上に、どちらか一方が我慢しているのであれば、徐々に相手への気持ちも冷めていってしまうかもしれません。
夫婦はもともとは赤の他人で血のつながりもないため、一度気持ちが離れてしまうと再構築するのは大変です。修復が不可能な場合、別居や離婚につながることもあり得ます。
拒否している側はそこまで大ごととしてとらえていないのかもしれませんが、拒否されている側にとって、セックスレスは大きな問題なのです。
身体的なデメリットも
セックスを頻繁にすることは、相手の体の特徴を把握することにもつながります。
特定のパートナーと定期的に行うことで、急に太った・痩せた、しこりができたなどちょっと気になる体の変化を指摘してもらいやすくなります。
自分では意外と見落としがちな部分も、パートナーが先に気付いてくれるかもしれません。
また、体を見られる相手がいることから、「あまり食べ過ぎないようにしよう」「最近体がたるんできたので筋トレをしよう」など、食生活を改善したり運動習慣を身に付けるきっかけにもなります。
性行為が定期的にあることは、夫婦ともに若々しく健康的な生活をおくることにも役立つかもしれません。
セックスレスにメリットはある?
セックスレスにはメリットもあるのでしょうか。
子供や同居家族の目を気にしなくて済む
他に家族がいる場合、いつ、どこでするか悩みますよね。
部屋がいくつもあるような大きな家であれば良いのですが、狭くて部屋数も限られるマンションやアパートに住んでいると、する場所がないと感じられるでしょう。
子供や同居家族が寝静まった後だったらできそうですが、物音が聞こえないように控えめに行うなど気を使っている人も多いのではないでしょうか。
子供たちが学校や保育園にいっていて不在の時もありますが、昼間は仕事や家事で忙しい時間帯のため、ややハードルは高いかもしれませんね。
セックスレスになれば、そのような心配事はなくなります。誰の目線も気にせず気楽に生活できると言えるでしょう。
精神的・身体的な負担の軽減
夜は仕事や家事、育児で疲れていて早く寝たいという人にとっては、セックスが負担になっていることもあります。
セックスレスになれば、その分睡眠時間が確保できてしっかり体を休めることができる上、「誘われたらどうやって断ろう」「したくない」となどと思う精神的な負担やストレスからも解放されます。
ただし、どちらか一方が「したい」と思っている場合、パートナーの要求を拒否することになるため、当然ですが相手には不満がたまります。
愛情のある言葉をかける、他のスキンシップをするなど、相手を傷つけないための配慮が必要です。
また、女性側の問題点として、挿入時に性交痛がある人もいます。色々対策をしても痛くなってしまう場合、セックス自体が苦痛になってしまう場合もあります。
そのような人は、行為がなくなれば体の負担が軽くなり、セックスレスにメリットがあると言えるかもしれません。
セックスレス解消・対策方法!
これまで述べてきたメリットやデメリットをふまえた上で、やはり「できることならセックスレスになりたくない」「将来的にセックスレスになりそうで不安だ」と思う方もいらっしゃるでしょう。
そう考える方のために、セックスレスの解消やセックスレスにならないように対策するためのポイントをまとめました。
性行為の時間帯や場所、内容のバリエーションを増やしておく
「SHUFUFU」で行ったアンケート調査では、セックスレスになったきっかけの第一位が、「仕事で疲れている(49%)」でした。
夜遅くまで働いてへとへとになって帰ってきた日は、食事や入浴など最低限のことをしたらさっさと寝たい気持ちはよく分かります。仕事による疲れ以外にも、育児や家事・介護の疲れなど、さまざまな理由で夜は早く寝たいと考える人もいるでしょう。
仕事がお休みの日に時間の都合が付けばいいのですが、お互いの休みが合わないとそれも難しいです。
セックスを「夜」「時間をかけて」「寝室で」行うものと考えている場合、条件がそろわないとできないため、ハードルが高くなってしまいます。
夜が難しい場合は朝や昼間に行ってもいいですし、リビングのソファーなど寝室以外の場所で行うのも選択肢の1つです。
また、疲れている時に、前後のコミュニケーションなど含め「長い時間をかけなくては」と思っていると面倒になってしまいます。少しイチャイチャするだけの日や、「今日はショートバージョンでしようか」と前戯などは飛ばしてサッと終わらせる日があってもいいですよね。
さらに、セックスがワンパターンになっている人は、マンネリ化していることで新鮮味がなくなり、より「したくない」と思ってしまいます。その場合、体位を変えたり内容を変化させると、良い刺激になって意欲が沸く可能性もあるでしょう。
普段から意識して時間・場所・内容などのバリエーションを増やしておくと、環境や家族構成が変わってもセックスレスにならずに済むかもしれませんよ。
妊娠・出産・産後の過ごし方
注意するべきポイントの1つが、妊娠してから産後にかけての過ごし方です。
前述した「SHUFUFU」でのアンケート調査でも、 セックスレスになったきっかけとして考えられるものを尋ねたところ、2位が「出産」で34%でした。
これから子作りしたいと考えているカップルは、出産後はセックスレスになりやすいということをしっかり認識しておいたほうが良さそうです。
妊娠してから出産するまでは、母体やお腹の赤ちゃんの事を考え性行為を控えるカップルが多いと思いますが、出産したからすぐに解禁というわけではありません。1ヵ月検診でお母さんの回復具合を主治医が確認し、その後性行為がOKになることが多いです。
そしていざOKが出ても、昼夜問わず泣く赤ちゃんのお世話があります。夜中も授乳やおむつ替えがあり、以前のように夫婦の時間をつくるのが難しくなります。
昼間の育児家事に疲れ切って夜は子供と一緒に寝てしまったり、子供が生まれたばかりでそんな気になれないという人も多く、セックスレスになりやすいのです。
産後は生活が一気に子ども優先になるため、自然には夫婦だけの時間は捻出できません。男性も女性もお互い歩み寄って家事育児を分担することで時間を作り、チャンスがあれば徐々に再開していくのが良いでしょう。
時間がなかったり、子供が気になるという場合は、最後まで完結させなくても大丈夫です。少しの間ベッドでスキンシップをとるだけでも、恋人気分を思い出せたり、息抜きになるかもしれませんよ。
また、妊活中のカップルも注意が必要です。
排卵日付近を狙い性行為を連日行うのが理想ではありますが、仕事や家事の疲れでなかなかうまくいかない日もあるでしょう。セックスが義務のようになってしまうと、産後解禁になっても「したい」という気持ちがわかずにセックスレスになる可能性があります。
なるべく「セックスをしなければいけない」という圧力を相手にかけないよう、お互いの気持ちを思いやって、妊活中も楽しい雰囲気で行為ができるといいですね。
部屋の間取りや寝室の環境
子供や他の同居家族がいる場合、寝室など部屋の間取りにも注意が必要です。
乳幼児期は子供と一緒に寝る親も多く、子供が寝ている同じ部屋でセックスをするのは気が引けるという意見もあるでしょう。
子供がある程度成長したら、寝室を分けたり夫婦の部屋を作ることも検討しましょう。子供の自立やプライベートを守るためにもなります。
夫婦の寝室は1階にして2階に子供部屋を作ったり、同じ階でも寝室と子供部屋の間に他の部屋や廊下、クローゼットなどを挟むと、より距離が広がってプライベートを保ちやすいですよ。
問題は、マンションやアパートなど狭くて部屋数が限られる場合です。
その場合は、普段家族で寝る部屋は子供部屋と兼用にしましょう。
リビングやその他の部屋に布団やマットレスをすぐに引けるような状態にしておくと、時間ができた時にパッと行為に及びやすいですよ。
子供が急に部屋に入ってこないか心配な場合は、ドアに取り付けられる鍵の使用を検討しましょう。工具不要で穴あけ無しのタイプは、賃貸のお部屋でも気軽に後付けできるのでおすすめです。
普段の身だしなみにも注意
どんなに好き同士で結ばれたカップルでも、だらしない格好ばかりしていると百年の恋も冷めてしまいます。
前述した「SHUFUFU」のアンケートで、女性の回答者にセックスレスにならないための対策やアドバイスをうかがったところ
- いつも自分自身を磨いておくことだと思います
- 女としていられるように、自覚・意識する
など、相手に魅力的に感じてもらえるような努力をすべきとの回答が複数ありました。
家の中ではリラックスして楽なスタイルでいたいという人も多いとは思いますが、最低限の身だしなみには気を付ける必要があるかもしれません。
女性も男性も加齢とともに顔も変わりますし、体型を維持するのも難しくなっていきます。
それでも、「裸や下着姿でウロウロしない」「姿勢を良くする」「似合う服を着る」「定期的にメイクや髪型をブラッシュアップする」などを意識して過ごすだけで、大幅な魅力向上につながりますよ。
非日常感の演出
いつも家の中で同じ生活をしていると、慣れてきてしまってドキドキ感やときめきが得られないかもしれません。
そんな時は、定期的に時間を作って二人だけで外出するようにしましょう。
SHUFUFUで実施した既婚女性を対象に実施したアンケートで「旦那さんと年に何回デートをしますか?」との質問に年に2回以上デートをするとの回答が約50%という結果でした。
多くの夫婦が何らかの形で年に数回以上のデートをしているようです。
遠出が難しければ近所のレストランでランチをしたり、小一時間家の周りを一緒に散歩するのも良いでしょう。普段よりおしゃれをしたり、手をつないだり腕を組んでみたりすると、より一層恋人気分になれます。
小さな子供がいる場合は、預かり保育や親戚などに預ける必要があります。親だけで美味しいものを食べたり楽しいことをするのに抵抗があるかもしれませんが、将来的に両親が仲良しの方が子供も嬉しいはずです。積極的に夫婦だけの時間をもつことをおすすめします。
どうしても外出ができない場合は、家の中で非日常感のあることを二人で行いましょう。
特別なお菓子を用意してお茶をしたり、昔二人で見た映画やドラマを見たり、一緒に料理やゲームをするのもいいかもしれません。「普段しないことをする」というのがポイントです。
「今日はしたくない」という時には
相手がその気でも、体調がよくなかったり気分が乗らなかったりして「どうしても今日はしたくない」という日がありますよね。
そんな時には無理してセックスをする必要はありませんが、断り方には注意が必要です。
冷たくあしらったり、嫌そうなそぶりを見せイライラした口調になると、せっかく相手が勇気を出して誘ってきてくれたのに傷つけてしまいます。そのようなことが何度も続くと、もう誘ってくれなくなる可能性もあります。
「私もしたいけど、今日は体調がよくないの」「今日はごめんね。また来週しよう」など、相手を気遣う態度や、「自分もしたいと思っている」ことを示す言葉を加えるようにしましょう。
次回は自分が誘ってみると、相手も嬉しく感じるかもしれませんよ。
回数が減ってきたと感じたら
加齢とともに体力が低下し、性欲もなくなってきたりと、若いころや出会った頃と同じような熱量や頻度で行為を続けていくのは難しくなります。
回数が減ってきたからといって過度に落ち込む必要はありませんが、それでも完全にセックスレスになるのは防ぎたいと考える人もいるでしょう。
セックスレスが長引くと解消するのが難しいため、「あれ、最近ご無沙汰だな」と気付いたら早めに自分から積極的に誘うなどして行動することが大切です。
またセックス自体ができずとも、手をつないだりハグをしたりキスをしたりなどのスキンシップを絶やさないようにしておくと、久しぶりにチャンスがきた時にお互いスムーズに行為ができるかもしれません。
まとめ
今回は、セックスレスのメリットデメリット、予防法などをご紹介しました。
お互いが希望する頻度や内容が異なるケースも多く、なかなか周りにも相談しにくいことから、人によっては悩みの種にもなりうるのがセックスレスです。
意見の相違がある場合はそのままにせず相手を思いやって歩み寄ることが、長く良好な夫婦生活を続けていくために重要になります。
将来的にセックスレスになりたくないという思いがあれば、今できる予防法をとり、積極的に夫婦間でコミュニケ―ションをとっていきましょう。
以上、ここまで読んでくださり、ありがとうございました。
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