小さい頃はちょっと側を離れただけでも「ママ~」と泣いていたわが子。
「ママ大好き」「ママと結婚する」と天使のような笑顔で言ってくれていたのがまるで昨日のように感じますね。
そんなお子さんも成長し、思春期・反抗期になってくると子供とのコミュニケーションも当然に変化していき頭を抱える親御さんも多いと思います。
声を掛けても「うるさい!」「うざい!」「別に」などと返ってきて会話にならない、なんてご家庭は決して珍しくありません。
反抗的な態度で会話が成り立たないと、お子さんが何を思っているのかわからず不安になりますよね。「年頃だから・・・」とわかっていてもついついイライラしてしまうのは当たり前です。
しかし、お子さんも学校や勉強の事、友達関係、自分の身体の変化のことなど心の中でいろいろな「葛藤」をしています。
そんな悩み多き思春期のお子さんを陰ながらお応援し、うまく手助けをしていい親子関係を築いていきたいというのが本音ですよね。
この記事では、一般社団法人ポジティブ子育て協会代表理事 和田リエさん監修のもと「子供の思春期・反抗期にどう向き合うか」を具体的に解説し、思春期の子供との良好な関係を保つにはどうしたらいいのかを解説いたします。
今、まさにお子さんが思春期や反抗期で悩んでいるという親御さんの力に少しでもなれれば幸いです。
思春期・反抗期とは?
一般的に小学校高学年から中学校に差し掛かる年齢になると、子供は思春期・反抗期になっていき、そのころの子供は赤ちゃんの頃や小さい頃に比べると、ある程度自分のことは自分でできるようになっています。
また、周囲の友達からも主に男子は、母親にべったりしてると「マザコン!」などと言われたり、子供自身が周りから自立を求められていることを実感していき、自分自身でも「自立したい」と思うようになってきます。
思春期とは、「子供が自立に向かって試行錯誤している期間」と考えていいでしょう。
しかし、親の意見としては「自立はしてほしいけど、いきなりすべてを信じてまかせることはできない」と思いますよね。
一方子供は、自立した気でいますが「経済的に自立はできないし、精神的にもまだ子供」です。
この矛盾をお互いが抱えているので、コミュニケーションを取るのが難しくなります。
では、そんな矛盾を抱えた子供に、親はどう接したらいいのでしょうか。
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聞き役に徹して寄り添ってあげる
お子さんが小さい頃は、自分からたくさんの話をしてくれましたよね。
「幼稚園でこんな遊びをしたよ」「こんなものを作ったよ」「友達と喧嘩しちゃった」など親が聞かなくてもその日、自分に起きたことを話してくれて、会話が常にありました。
しかし、思春期・反抗期の子供は自分から、自分の事を話したがらずうまくコミュニケーションが取れない時があります。
そんなとき、親はつい「学校はどうだった?「勉強は?」「友達との関係は?」など質問してしまいます。話してくれないと気になりますよね。
でも、思春期・反抗期のお子さんとの会話では質問攻めはグッと我慢しましょう。
逆に子供から会話を求めてきたときは、全力で聞き役に徹します。
次に重要なことは「無駄にアドバイスをしない!」です。
親の意見を押し付けたり、否定するのではなく、寄り添ってあげてアドバイスをしてあげることが大切です。
そんなこと言われても、子供が話してきた内容によっては聞き役に徹するだけでは到底無理な場合もありますよね。
アドバイスしてあげたほうがいいと思ったときは、「お母さんも学生のころ、同じ悩みがあってその時に、先生にアドバイスもらって解決した話があるんだけど聞く?」などと、聞く姿勢を持たせてからストーリーの中に伝えたいことを混ぜて本人に伝えると、すんなり聞いてくれる場合があります。
「それはこうするべき」「こうしなさい」のように強制的な雰囲気で伝えてしまうと、思春期の「自立したい」という気持ちに刺激を与えてしまい、素直に聞き入れてくれません。
ストーリーの中に伝えたい事を混ぜ込むことで刺激を与えることなく、さりげなく伝えたいことを伝えられます。ストーリーは作り話でもいいのです(笑)
すぐ怒らない、否定しない
思春期・反抗期の子供は、とにかく自分の行動を否定されることが嫌です。
わがままとも言えるのですが、思春期の子供に何度叱ったところで改善するわけでもなく、さらに悪化していく場合もあります。
例えば、8時までに帰るように言ったのに9時に帰ってきたとします。
親としては思わず「約束が違うじゃない!」「何時だと思ってるの!」
と怒りたくなりますよね。
しかし、ここで理由を聞かずにすぐ怒るのはやめましょう。
「遅かったね!なにかトラブルがあった?」
このように穏やかに迎えて、「なにしてたの?」ではなく「トラブルがあったのか」など具体的な内容にして相手に聞いてみましょう。
もしかしたら、なにかトラブルがあって帰りが遅くなった場合もあります。
そうだった場合「理由も聞かずに怒られた=親はなにもわかってくれない」などという親に対してマイナスな印象を与えてしまい否定された気分になってしまいます。
しかし、帰りが遅くなるのをニコニコ許しておくわけにはいかないですよね。
その際は「誘拐のニュースとか聞いたことあるし、心配になるからもう少し早めに帰ってきてほしいな」など早く帰ってきて欲しい理由は、「あなたが大切だからだよ」というのがわかるように伝えましょう。
怒るのが決して悪いわけではありません。
いつもガミガミ起こるのではなく、なぜ、何に対して怒っているのか、今後、どうしたら良いのかとポジティブな視点で伝えてあげることが大切です。
いくら子どもといっても、考え方も違います。一人の人間として、思いや考え方、捉え方も違います。
具体的に言葉にして説明してあげることが重要です。
周りの子どもと比較しない
思春期・反抗期のお子さんは、友達と自分を比べてしまいがちです。
特に日本の思春期の子どもたちは他国の思春期の子どもたちと比較すると、自分に自信がなかったり、自己肯定感が低い傾向があるといわれています。
内閣府調査において、日本の子どもたちは海外の子どもたちと比較すると自己肯定感が低いというデータがあります。
体の変化の違い、容姿の違い、なども自分と比べてその違いにかなり敏感になり不安や戸惑いも抱えています。
また、学校でも学習面で「偏差値」「テスト順位」など数字で評価される場面も多くなり競争意識からプレッシャーも感じています。
狭い世界で自分と他人を比べているのでイライラしたり、落ち込んだりを日々繰り返している状態なのです。
そんな毎日のなかで、家庭においても比べられたらどうでしょう?
親が他の子どもと比べていると、子どもに強い不安感を与えてしまい、自分に自信が持てなくなり、自己肯定感が低くなってしまいます。
その結果、子供は自分のことを「嫌だ」と感じるようになり、自由に活動したりすることができなくなり、楽しく活動する自分さえも否定してしまう「自己否定感」を強めてしまうことになってしまいます。
でも、近所でママ友に会ったときなどに他のお子さんの情報が入り、ついついよその子と我が子を比べがちになってしまう親御さんはいると思います。
そんな時は他人の子供と自分の子供と比べるのではなく、過去の我が子と今の我が子を比べてみましょう。
過去のお子さんと、今のお子さんは確実に成長しているのですから。
お子さんが自分自身と他人を比べて苦しんでいるときは、過去のお子さんと現在のお子さんを比べてあげて「あなたはこんなことができるようになっているよ」と言って気づかせてあげられるような立場でいたいですね。
親が見守っている安心感を与える
子供が思春期・反抗期だとぎくしゃくして家庭の空気が悪くなる日々・・・。
家庭内の空気が悪くなったとしても、子供にとって一番安心できる場所が家庭であるようにしてあげることが大切です。
朝、子供に「おはよう」といっても無視されてしまう日々が続くかもしれません。
どうせ言っても無視されるから言わなくなるのではなく、「おはよう」や「おやすみ」などのあいさつは必ず伝えましょう。
「いってらっしゃい」「おかえり」と言ってもそっけない態度をとられるかもしれません。それでも送り出すとき、向かい入れるときは笑顔で接してあげましょう。
やがて思春期・反抗期が終わりを迎えたときに、このような基本的なあいさつをもしなくなってしまった場合に、親子関係の修復のきっかけを失う可能性があります。
思春期・反抗期の子供との距離ができてしまっていたとしても、子供はその時代に自分に気にかけてくれて粘り強く想いを伝えてくれた人のところに必ず戻ってきます。
親に背を向けているとしても背中で聞いていると思って安心感を与え続けて見守ってあげることが大切です。
まとめ
今回は、「子供の思春期・反抗期にどう向き合うか」について解説しました。
ついイライラしてしまったり、悩んでいる親御さんはあなただけではありません。
こんな状態がいつまで続くの?と思ってしまうかもしれませんが、思春期・反抗期は、必ず終わりがきます。
「あの時はついムキになってしまったな」とクスっと笑えるような日がきます。
お子さんも「自立したい」「自分を認めて欲しい」「自分の考えを親に理解してもらいたい」その気持ちの表れが複雑な感情として表れてしまっただけで、悪い子になってしまったわけでは決してありません。
あの子は思春期の今も、昔と変わらずいい子でかわいい「あの子」なのです。
お子さんの成長をそっと見守り、SOSを出してきた場合はいつでも助けてあげられるようなそんな存在でいたいですね。
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