皆さんは「ピータン」を食べたことがありますか?
中華料理屋さんでは定番のメニューとして扱われていますが、家庭で日常的に食べるという方は少ないのではないでしょうか。
卵なのに真っ黒な見た目なので、「なんか気持ち悪い」「臭いらしい」といったイメージもあり、敬遠して食べたことがないままの方が多い食材です。
今回の記事では
・ピータンはなんの卵?
・どんな作り方をしているの?
・売ってる場所と値段は
・ピータンのキレイな切り方
・例えるとどんな味?
・美味しい食べ方
といった事について、詳しく解説していきます。
ピータンの気になる見た目や味、臭いがどんな感じなのかといったこと、栄養素について管理栄養士監修のもとお伝えするので、ぜひ最後まで読んでみてください♪
ピータンはなんの卵?
皆さんは「ピータン」ってなんの卵が使われているか知っていますか?
どんな卵で作られていて、どのような特徴のある卵なのか見てみましょう。
なんの卵
ピータンは主にアヒルの卵でつくられています。
アヒル以外にも、鶏卵やうずらの卵でも作られることもありますが、アヒルの卵がメジャーです。
ゆで卵(殻付き)と比較
今回購入したピータン(画像左)は、鶏の卵(画像右)と同じくらいのサイズでしたが、一般的にはアヒルの卵のほうが鶏卵よりも一回り程度大きくなっています。
殻の表面はスベスベとしています。
殻の硬さは、鶏卵と比べるとかなり硬く、1回コツンとぶつけたくらいではなかなか割れないほどでした。
アヒルの卵の味はクリーミーと表現されることが多く、黄身の割合が白身に対して多いので、カスタードクリームを作るのに最適な卵なんだそうです!
加工前の卵は一般的な白い色
ピータンというと「黒い」というイメージがありますが、加工されていない状態は鶏卵のように白身は白く黄身は黄色の見た目です。(生の状態の白身は透明度が高い)
栄養価が高いけどダイエット中は注意
栄養面では、鶏卵と比べてビタミンA、鉄分が多く、栄養満点です。
ですが、ナトリウムやコレステロールの含有量も高く、エネルギー量も高いので、ダイエット中の方は要注意です。
東南アジアではポピュラーな食材
アヒルの卵はピータンの他にも、『シエンタン』という卵を殻ごと1ヶ月塩漬けした発酵食としても食べられることがあります。塩気が強いので、調味料としても使われるようです。
日本ではあまり馴染みのないアヒルの卵ですが、中国や香港・台湾などの東南アジアではポピュラーな食材として親しまれています。
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卵なのに黒い色をした謎の見た目のピータンですが、一体どうしてあんな色になるのか不思議ですよね?
どのよう作られているのか、ピータンの作り方を解説します。またピータンが誕生した由来も見てみましょう。
発酵させて作る加工食品
ピータンは、アヒルの卵を発酵させて作る中国発祥の加工食品です。
その作り方は独特で、卵を木炭や灰塩などと一緒に粘土で包んで、土の中やカメの中で1ヶ月以上貯蔵して発酵させます。
こうすることで白身は真っ黒・黄身はグレーに色付いた超強烈な見た目になります。
地域やメーカーによっては、炭酸ナトリウムや消石灰などを使用することもあるそうです。
熱を入れていないのに、卵の中身が固まっているのは、泥の中のアルカリ成分が卵の中身に浸透して、たんぱく質を変化させているからです。
茹でているわけではなく生卵が固まったものなんですね。
ピータン誕生のきっかけには諸説あり
作られたきっかけには諸説ありますが、中国の明の時代にアヒルの卵を灰の中に置き忘れて偶然出来たからという説がありますが、本当かどうかは定かではありません。
それにしても、もし本当に灰の中にアヒルの卵を置き忘れてできたものだったとしたら、これを最初に食べた人って勇気ありすぎません?
貴重な蛋白源でありながら、冷蔵庫がない時代でも長期保存が可能だったピータンは、きっと当時の人の食生活を支えていたのでしょうね。
ピータンが売っている場所は?
食べたことがない人は、ピータンを買うには中国食材を専門に扱った特殊な店でなければ手に入らないのでは?と思ってしまうかもしれないですが、意外と身近で手に入りやすい食材なんです。
業務スーパーやカルディ、また一般のスーパーでも販売されています。
オンラインでもAmazonや楽天でも購入することが可能です。
カルディの中華コーナーで購入
今回は、カルディの中華コーナーで販売されているものを購入しました。
価格は2個入りで税込322円。(1個 約161円)
楽天では、送料別ですが20個入り1,680円のピータンも売られていました。
1個あたりの価格はなんと84円。
レビューも良いのでピータン好きの方はネットで購入した方が安くてお得ですね。
ピータンの賞味期限
今回購入したピータンの賞味期限は2025年3月でした。
購入日が2024年5月なので、賞味期限は購入日含めて約10ヶ月ありました。
常温でかつこの包装で約10ヶ月持つなんて…すごいですね。
黄身の状態が異なる!上級者用ピータン
ちなみにピータンは黄身の状態の違いによって「溏心(とうしん)ピータン」と「硬心(こうしん)ピータン」の2種類のピータンがあるんです。
初級者は「溏心ピータン」
カルディで売られていたのは「溏心(とうしん)ピータン」で、黄身の部分が半熟でとろっとしていて、アンモニア臭が比較的薄く食べやすくなっています。
上級者は「硬心ピータン」
もう一つの「硬心(こうしん)ピータン」は黄身が固くなっています。こちらは香りとクセが強く食べにくさはあるものの、塩気が強く水分量が少ないので保存性が高いのが特徴です。
ピータンの基本の食べ方・切り方
それでは早速ピータンの基本の切り方と食べ方で用意してみましょう。
実は筆者も、これまでピータンを食べる機会がなかったので今回初めて食べるので、ピータン初心者の視点で解説します。
泥を落とす
カルディのピータンには殻の周りに泥がついています。(泥がない状態で売られている物もあります)
泥の中には籾殻のようなものも見えます。
この時点で、若干エビのような臭いがします。
もっとキツいニオイがするのではと思っていたので、拍子抜けしました。
うん、この時点ではまだ大丈夫そう。
まずは殻の周りの泥をよく洗い流します。
とはいえ、そのまま泥を流すと排水溝に詰まりそうなので、ある程度キッチンペーパーで泥をこそげ落としました。
泥がある程度落ちたら水で洗い流します。
うおー、殻に黒い斑点のようなものがあって
なんだか恐竜の卵みたいじゃないですか?
殻は鶏卵より硬そうな手触りです。
殻を剥く
お次は殻を剥きます。
ワッ…
ワァ…
ワ…ウワァ…
すごいぷにっぷにな手触り…光が透き通ってコーヒーゼリーみたい…
未知との遭遇すぎて”ちいかわ”みたいなリアクションしかできません。
松の枝のような模様は高級品の証
ちなみにピータンの白身の表面に、松の枝のような模様があるものもあります。
これは『松花蛋(ショウカタン)』と呼ばれていて、アミノ酸の結晶で品質上の問題はありません。むしろこの模様があることが高級品の証と言われています。
今回購入したものには『松花蛋』は見られませんでした。
ピータンを糸でカット
ピータンをカットするときは、崩れやすいので包丁ではなく「糸」を使って切ることをおすすめします。
糸をくるっと一周ピータンに巻きつけて…
糸を引っ張るとスッと切れて気持ちいい!
見た目はグロくて、柔らかい
中身はこんな感じ!
うーーん、はっきり言ってグロいですね!
本当に先ほどの「灰の中に忘れてて出来た」説が本当なら、ますます なんで食べたん?
という感想しか出てきません。
私が最初に食べた人の友達だったら「やめといた方がいい」って言うと思います。
身はこのようにかなり柔らかく、切ってしまうと持つのも難しいほど。
4等分にカットしました。
臭いを取るためカットしたら置いておく
カルディのピータンの袋の裏面には、「臭いを取るため切ってから20分ほど置いて」と書いてあります。
前述しましたが、ピータンは生のアヒルの卵を加工したもの。
実質生卵ですが加熱調理をする必要はなく、このまま食べられます。
ピータンのニオイや味を例えると何?
ピータンの臭いや味を食べたことがない人にもイメージできるように、何かに例えて表現してみたいと思います。
ニオイを例えると
一般的にピータンのニオイは「アンモニア臭」「腐敗臭」「刺激臭」や「硫黄の香り」と表現されますが、卵なので確かに硫黄の香りはします。
香りの中でも、硫黄と生臭いニオイを強く感じました。
公衆トイレのような臭いにも感じるので、本当に食べられるのか不安になります。
そして、前述した通り筆者的には微かにエビのようなニオイがします。
完全にエビのニオイというわけではなく、甲殻類特有の生臭みというか、食欲をそそられるようないい香りではありません。
食べられるのか不安になる”硫黄と生臭い”においがしました
味を例えると
味は意外にもクセがなく、ニオイで感じた不快な臭いの心配はなく案外卵のままの味でした。
ただ色と見た目・ポロポロとした独特な白身の食感が筆者的には苦手でした…。
ピータンの白身の食感は、鶏卵の茹で卵と全く違います。
鶏卵の白身はぷりっほくっとした食感で、お馴染みの食材なので想像がつきやすいと思いますが、ピータンの白身は例えると寒天のような食感で、弾力はあるけど噛むとポロポロと崩れるような不思議な食感でした。
「食べられるけど、たくさんは要らない…」という結果でした。
意外と味にクセは無いけど、食感が寒天のようで苦手でした
おそらく「ピータンは苦手」という人の殆どがこの見た目、臭い、食感が大きな原因ではないでしょうか。
ちなみに夫は美味しいと食べてました
反対に夫は「全然美味しい」と1玉ぺろっと食べていました。
夫もピータンは初めて食べたのですが、鶏卵よりも黄身が濃厚で、クセもそこまで強いわけでなく普通に美味しい卵だったと言っていました。
ピータンの臭いの消し方
カット直後のピータンからは、硫黄と生臭いニオイを感じます。
見た目も相まってこの臭いで食べる気力を失ってしまう人もいると思いますが、この臭いを消す方法がないか色々と試してみました!
カット後20分放置
カルディのピータンの袋の裏に書いてあるとおり、カットした後に20分放置したものです。
20分放置しても、まだ硫黄と生臭いニオイを強く感じます。
初心者は20分以上放置したほうが食べやすいのではないかと思います。
冷蔵庫で半日放置
気温はそこまで高くなかったのですが、心配だったので黄身に触れないようアルミホイルをかけて冷蔵庫に入れておきました。(冷蔵庫内には独特なニオイは充満していなかったので安心しました。)
ニオイの変化としては、20分放置したものと比べて、半日放置した方が硫黄臭や生臭いニオイはだいぶ弱まっていました。
鶏卵にもあるような生卵の生臭さ程度には薄まっていったように感じます。
酢をかける
今度は、1時間ほど放置したピータンにお酢をかけてみました。
お酢をかけたところ、ニオイ自体はお酢の方が強いのでピータンのニオイはかき消されました。
が!美味しいかと言われると…酢だけでは美味しくはなかったですね。
みじん切り
細かく切ることで表面積を増やしてニオイを飛ばす作戦です。
空気に触れる面が増えたので、4分割していたものよりもニオイが飛ぶのが早いです。
みじん切りにすると料理にも使いやすく食べやすいので、初心者の方はみじん切りして食べるのがおすすめです。
焼く
油を引いたフライパンで焼きました。
香ばしい香りがして美味しそう!生臭さは全然ありません!
黄身はしっかり火が通ったので固ゆで卵のような食感、白身部分は焼いても食感はさほど変わりませんでした。
そして、火を通しても白身部分の色が変わらないことに驚きです。
油で揚げる
片栗粉をまぶして揚げてみました。
片栗粉の衣に包まれているおかげで見た目のグロさが半減どころか、美味しそうに見えます!
生臭いニオイも消えて、香ばしい香りに。
ただ白身部分の寒天のようなぷりぷり感が全く衰えません。笑
茹でる
お湯で茹でてみました。
ニオイ成分やクセ強な味がお湯に溶け出すのか、若干の生臭さはあるものの味はかなり淡白になります。
やはり白身部分のぷりぷり感は変わらないので、鶏卵の茹で卵の食感とは全く違うものでした。
薬味と合わせる
薬味で味付けは後述もしていますが、ピータンをネギやわさびなどの香りや刺激が強いものと合わせると、味にメリハリが出て食べやすくなります。
揚げたり焼いたりしたものはバジルと合わせても◎
最も臭いが気にならなかった方法は?
半日放置・お酢をかける・みじん切り・焼く・油で揚げる・茹でる・薬味で味付けの方法でピータンのニオイ消しを試みましたが、筆者が1番ニオイ消しに有効だと思った調理法は『油で揚げる』でした!
揚げても白身のゼリーのような食感は変わりませんが、黄身は火が通ってほくっとした食感になります。
何より揚げることで香ばしい風味が加わってとても食べやすくなりましたよ。
そのままのピータンが好きな人には邪道な食べ方かもしれませんが、チャレンジしてみたけど苦手という人はこちらの食べ方を試してみてください。
『油で揚げる』がニオイが苦手な人におすすめ
ピータンの美味しい食べ方
中華料理屋さんのメニューを見てみると、ピータンを食べやすいサイズにカットしてお皿に盛っているシンプルな食べ方が主流のようですが、アレンジをすることでピータンをもっと美味しく食べることができます。
わさび醤油×ピータン
カルディのピータンの袋には『わさび醤油をつけてお召し上がりください』と書いてあったので、まずはわさび醤油でいただきます。
カルディのピータンはクセがない卵味で塩気なども全くなかったので、調味料をつけて食べるとちょうどよい味わいです。
黄身がクリーミーで濃厚・白身は淡白なので、わさびの辛味をプラスすると味にメリハリが出ます。
薬味と中華タレ
お次は、最もオーソドックスな薬味と中華タレをかけた食べ方です。
材料
- 醤油 大さじ1
- 砂糖 小さじ1
- お酢 小さじ1
- ごま油 大さじ1
- 刻みネギ 好きなだけ
全ての材料を混ぜ合わせるだけで完成!ネギを散らすと彩りも鮮やかです。
夫の感想は「わさび醤油より美味しい!中華風のさっぱりしたタレにピータンが合う」とのことでした。
ごま油の香ばしい香りとお酢の酸味がピータンと混ざり合って食べやすく感じます。
そして薬味のネギの存在がポイント。
ネギがあるだけでシャキシャキとした食感のアクセントも加えられますし、味にもメリハリが出ます。
ピータン豆腐
次は、中華タレをかけたピータンを豆腐にトッピングする一品。
ピータンを細かく刻んで食べる食べ方も多いですが、今回は切る手間を省いて1/4カットを乗せてみました。
黄身が濃厚なピータンはさっぱり系のものと合わせると相性が良いですね。
豆腐の淡白な味とつるんとした食感に、中華タレとピータンのクリーミーな黄身と、ぷりぷりの白身部分が合わさってなんとも不思議な感覚。
ピータン粥
材料
- 炊いたごはん 1人前
- 刻んだピータン 適量
- 豚や鶏ひき肉 適量
- 塩 ひとつまみ
- 鶏ガラスープ 小さじ1
- 溶き卵 適量(なくても良い)
- 刻みネギ 適量
- 水 ごはんが浸かるくらい
香港の伝統的なお粥のレシピです。
材料全てをお鍋に入れてお肉に火が通ったら出来上がり。
お腹が痛い時など体調不良時にもよく食べられるそうです。
筆者はピータンとひき肉(鶏ひき肉を使用)を別で湯掻いて後からトッピングしましたが、本来は全てお鍋に入れてグツグツ煮込んでOKです。
ごま油や生姜をトッピングしても美味しそうです。
揚げピータンのガパオ風
材料(2人前)
- ⭐︎鶏ひき肉 300g
- ⭐︎パプリカ 適量
- ⭐︎醤油 大さじ2
- ⭐︎みりん 大さじ2
- ⭐︎酒 大さじ2
- ⭐︎お酢 大さじ1
- ⭐︎砂糖 大さじ1.5
- ⭐︎しょうがチューブ 2cmくらい
- バジル 適量
- ピータン 好きなだけ
- 片栗粉 適量
バジルは素揚げ、ピータンは片栗粉をまぶして揚げておきます。
⭐︎の材料を全てフライパンに入れて汁気がなくなるまで炒めます。
お皿に盛ってバジルとピータンをトッピングしたら完成♪
ナンプラーやオイスターソースが入っていないので本格的なガパオではありませんが、ナンプラーの風味が苦手な方やお子さんも食べられます。
揚げたピータンが香ばしく、バジルの香りとよく合いますよ!
まとめ
強烈な見た目なピータンでしたが、カルディで買えるピータンは見た目に反して味はそこまでクセつよではなく、黄身が濃厚な卵という結論でした。
臭いに関しては独特な生臭さがあったので、やはり賛否両論分かれるであろう食材です。
しかし、焼いたり揚げたり放置したりすることで独特なニオイを弱くする事もできました。
筆者は見た目がグロテスクな見た目の食べ物が苦手なので、味うんぬんではなく見た目でアウトでしたが(涙)
見た目やニオイが気にならないという方は、味自体は卵なので食べられると思います。
今までピータンを食べたことがない!という方は、この記事を参考にぜひ食べてみてください!
ここまで読んでくださってありがとうございました!
コメント
よく業務スーパーで買ってたけど、これ結構癖になる。
たっぷりの白髪ねぎを乗せて食べるのも美味しい。
クセのある味ですが濃厚な黄身(?)とプルプルな外側の相性がよくておいしいです
お豆腐に良く合います