
世界的に見ても、日本は自然災害の多い国として知られています。災害によって停電が発生すると、冷蔵庫やエアコン、洗濯機などの家電が長期間使用できません。停電中も電化製品を動かし続けるには、ポータブル電源が必要です。
そこで本記事では、災害時に備えるポータブル電源の選び方について解説します。
ポータブル電源の種類別に使用できる電化製品や使用可能時間の違いも掲載しているので、家庭に合ったポータブル電源を見つけたい方は、ぜひ最後までご覧ください。
災害時に活躍!ポータブル電源とは
ポータブル電源とは、内部のバッテリーに電気を充電して持ち運びできる機器です。
電源が確保できない災害による停電時でも、自宅にある電化製品を動かし続けられます。
モバイルバッテリーよりも大容量なので、消費電力の高い家電にも給電できる点が魅力です。
ACやUSB、DCなど、様々な出力ポートを搭載しており、幅広い家電に対応しています。家庭の非常用電源として、一家に一台は持っておきたいアイテムと言えるでしょう。
災害時におけるポータブル電源の使い道6選
災害による停電は、送電設備の破損が原因で生じるため、原因箇所を特定・修理して復旧するまでに多大な時間を要します。
長期化する停電時にポータブル電源があれば、健康的な生活を継続できるだけでなく、災害から身を守れるようになるでしょう。
災害時におけるポータブル電源の使い道は、以下のとおりです。
- 使い道1|冷暖房機器で気温を調節する
- 使い道2|調理家電で非常食を温める
- 使い道3|照明器具で夜の安全を確保する
- 使い道4|冷蔵庫内の食品を守る
- 使い道5|通信機器で安否確認を行う
- 使い道6|携帯ラジオで情報を収集する
それぞれの使い道について、詳しく見ていきましょう。
使い道1|冷暖房機器で気温を調節する
ポータブル電源で冷暖房機器を稼働すれば、停電中も常に快適な気温で生活できます。特に夏・冬に大規模な停電が起きた場合、室温は急速に外気温へと近づいていきます。
停電が長引くほど、夏は熱中症、冬は体調不良や低体温症の危険が高まるでしょう。
ポータブル電源があれば、エアコンや電気毛布、電気ストーブ、扇風機などの冷暖房機器をフル稼働し、健康状態の悪化を防げます。
使い道2|調理家電で非常食を温める
災害時の生命維持に欠かせない非常食。
ポータブル電源があれば、以下の方法で温かい非常食が食べられるようになるので、災害による過酷な環境下でも心身の安定に役立ちます。
- 電子レンジやオーブントースターで非常食を加熱する
- 電気ケトルや電気ポットで沸かしたお湯でフリーズドライを戻す
- ホットプレートで非常食を炒める
- 炊飯器でご飯を炊く
温かい食べ物は消化に良いので、災害で疲れた体にエネルギーを効率的に補給できます。
使い道3|照明器具で夜の安全を確保する
災害による停電は、明るい日中帯に起きるとは限りません。
夜に停電が発生したとしても、ポータブル電源から照明器具を点灯できれば、身の安全を確保できます。
特に地震が起きると、家具や家電、窓ガラスが床に散乱している恐れがあり、真っ暗闇の中でむやみに動き回るのは危険です。
夜に避難を余儀なくされた場合も、ポータブル電源から照明器具に給電できれば、安全に避難所へと向かえるでしょう。
使い道4|冷蔵庫内の食品を守る
ポータブル電源から冷蔵庫に給電できれば、停電時でも食品が常温に戻って傷んでいくのを防げます。
停電が発生すると、冷蔵庫のドアを開閉しなかったとしても約2〜3時間しか庫内を保冷できません(※1)。
庫内が温まって傷んだ食品を口にした場合、食中毒になるリスクが高まります。
災害時に食中毒を引き起こすと、すぐに医師の診療を受けられるとは限りません。災害時の大切なエネルギー源となる食品を守るために、ポータブル電源は欠かせないアイテムです。
※1参考:Panasonic「冷蔵庫の停電前の準備と停電時・停電復旧後の対処方法」
使い道5|通信機器で安否確認を行う
災害時にポータブル電源があれば、スマートフォンやタブレットなどの通信機器を使って家族の安否確認が行えます。
避難生活は長期化する恐れがあるので、通信機器はいずれ充電切れになってしまうでしょう。
ポータブル電源で常に通信機器の充電を確保できれば、家族と連絡を取り続けられて、心の安定にもつながります。精神状態を保てると、危険な状況でも冷静に判断できるでしょう。
使い道6|携帯ラジオで情報を収集する
災害時は迅速な情報収集が、生死を分けると言っても過言ではありません。
ポータブル電源から携帯ラジオを稼働すれば、常に最新の情報を入手して素早く行動に移せます。
携帯ラジオは、スマホのように誤った情報が錯綜しておらず、通信回線による影響を受けません。
【種類別】災害に備える!ポータブル電源の特徴
ポータブル電源は数多くのメーカーから販売されていますが、どの電化製品をどれだけ使用できるかは、出力と容量によって決まっています。
出力(W)とは、バッテリーから瞬間的に供給できる電力量です。
容量(Wh)とは、1時間あたりに供給できる電力量を指します。
ポータブル電源の種類別に、使用できる電化製品と使用可能時間を見ていきましょう。
【出力別】使用できる電化製品一覧
電化製品の消費電力がポータブル電源の最大出力を上回った場合は、正常に動作しません。
ポータブル電源の出力別に見る使用可能な電化製品の一覧は、以下のとおりです。
ポータブル電源の出力 | 使用可能な電化製品 |
300W | LEDライト、扇風機、電気毛布、冷蔵庫 |
500W | 洗濯機、デスクトップパソコン |
1000W | コーヒーメーカー、炊飯器、電気ポット |
2000W | エアコン、電子レンジ、IH調理器、ドライヤー、電気ケトル |
【容量別】電化製品の使用可能時間
ポータブル電源の出力が電化製品の消費電力を上回っていたとしても、容量が少なければすぐに電力はなくなります。
容量別に見る電化製品の使用可能時間は、以下のとおりです。
ポータブル電源の容量 | 電化製品の使用可能時間 ※ |
500Wh | ・LEDライト(10W):40時間・扇風機(40W):10時間 |
1000Wh | ・冷蔵庫(120W):約7-14時間・洗濯機(500W):2時間 |
2000Wh | ・炊飯器(1000W):1.6時間・電子レンジ(1300W):約1.3時間 |
5000Wh | ・IH調理器(1500W):約2.2時間・ストーブ(2200W):約1.8時間 |
※約20%の変換ロスが発生する場合
災害時に役立つポータブル電源の選び方7選
災害時に使用するポータブル電源は、大規模な停電中に普段通りの生活が送れるだけの電力を賄わなければなりません。
家庭の人数や想定する日数に応じて、選ぶポータブル電源は変わってくるでしょう。災害時に役立つポータブル電源の選び方は、以下のとおりです。
- 選び方1|消費電力に合った出力
- 選び方2|消費電力量に合った容量
- 選び方3|持ち運びやすい重量・サイズ
- 選び方4|自然放電率の低さ
- 選び方5|充電速度の速さ
- 選び方6|多様な充電方法
- 選び方7|豊富な出力ポート
それぞれの選び方について、詳しく見ていきましょう。
選び方1|消費電力に合った出力
ポータブル電源の出力は、災害時に使いたい電化製品の消費電力に合っているかが重要です。
複数台の家電を同時に動かす場合は、出力が消費電力の合計値を上回っていなければなりません。例えば、災害時には以下の家電を同時に動かす場面が想定されます。
- 電子レンジ(1300W)
- 冷蔵庫(500W)
- テレビ(110W)
- 扇風機(40W)
全ての家電を同時に稼働するには、最低でも1950Wの出力が必要です。まずは、日常生活で同時に使用している家電を洗い出し、消費電力の合計値を求めましょう。
選び方2|消費電力量に合った容量
災害用のポータブル電源は、普段の消費電力量に見合った容量を備えている必要があります。家電の消費電力量に直結するのは、消費電力と使用時間です。
家庭の人数が多くなればなるほど、家電の消費電力は大きくなり、使用時間も長くなります。特に災害による停電は長引くケースもあるので、3日分以上の容量があると安心です。
選び方3|持ち運びやすい重量・サイズ
災害時に使用するポータブル電源は、軽量・コンパクトなタイプを選びましょう。避難所への避難を想定している場合、ポータブル電源が移動の妨げになっては本末転倒です。
在宅避難を想定する場合も、家中どこでも気軽に持ち運べる重量とサイズ感が、避難生活での快適性を左右します。また、小さな隙間に収まる小型サイズなら、収納にも困りません。
選び方4|自然放電率の低さ
災害が発生した際にポータブル電源が持つスペックを最大限発揮できるかどうかには、自然放電率の低さが影響しています。自然放電率とは、蓄電したポータブル電源を放置した際に、内部で電気が失われていく割合です。
災害対策用のポータブル電源は、いつ災害が起きても対応できるように、満充電にして保管しておくケースが多いでしょう。自然放電率が低いポータブル電源を選べば、前回充電してから日が経っていたとしても、避難生活が送れるだけの十分な電力が蓄えられています。
選び方5|充電速度の速さ
災害が予測されてから素早く電力を溜めるためには、充電速度の速いポータブル電源を選びましょう。台風や豪雨、豪雪など、気候に関わる自然災害は、事前に予測が可能です。
充電速度が遅いポータブル電源を選んでしまうと、気象情報の確認後から充電を始めても、停電が発生した頃にはまだ十分な電力が溜まっていない恐れがあります。せっかくの高性能も無断になってしまうので、高速充電に対応したタイプがおすすめです。
選び方6|多様な充電方法
多用な充電方法に対応したポータブル電源であれば、充電切れの心配も不要です。災害によって送電設備が複雑に損傷していると、停電が復旧するまでに多大な時間を要します。
いくら大容量のポータブル電源を用意していたとしても、停電生活が長期化すれば、いずれは充電切れになる日がくるでしょう。ソーラーパネルや車のシガーソケットからも充電できるタイプであれば、コンセントが使えない停電中も電力を確保できます。
選び方7|豊富な出力ポート
同時に使用できる電化製品の数に直結するのが、ポータブル電源の出力ポート数です。
日常生活では、家中の至るところにあるコンセントから家電に接続していますが、災害時はポータブル電源に全ての出力ポートを集約しなければなりません。
また、出力ポートの種類が少なければ、使用できる家電も限られてしまいます。ACやDC、USB-A、USB-C、シガーソケットなどの多彩な出力ポートが搭載されていると安心です。
災害対策におすすめのポータブル電源
EcoFlowは、災害時に役立つ性能を全て兼ね備えたポータブル電源「DELTA 3 Plus」を販売しています。
一家に一台常備しているだけで、災害時の停電対策は完璧です。
災害対策におすすめのポータブル電源「EcoFlow DELTA 3 Plus」の主な性能を見ていきましょう。
- 定格出力1,500W(最大2,000W)、容量1,024Whを備える
- エクストラバッテリーを使用すると、容量を最大5kWhまで拡張できる
- ACコンセントを使うと、56分で100%充電できる
- 2つの500Wソーラー入力ポートにより、最短70分でフル充電できる
- LFPバッテリーによって、10年以上も停電対策として活躍する
- BMS管理システムにより、爆発や火災からの安全を確保する
- 600W以下では30db以内の雑音レベルに抑えられる
- 電源自動切り替え機能により、停電から10ms以内に電気供給源を切り替える
- 12時間先の災害情報通知を検知し、自動で優先的に充電される
約12.5kgの軽量・小型設計なので、家中どこでも自由に持ち運べます。
ACやDC、USB-A、USB-C、シガーソケットを含む計13個の出力ポートを搭載しており、多種多様な家電の同時接続も可能です。災害時の停電に備えたい方は、ぜひ製品情報をチェックしてください。
災害に備えたポータブル電源に関するよくある質問
最後に、災害に備えたポータブル電源に関するよくある質問を紹介します。
- ポータブル電源は災害対策として必要か?
- 災害時にポータブル電源が必要ない派の意見は?
- ポータブル電源を使ったソーラー発電機とは?
それぞれの回答について、詳しく見ていきましょう。
ポータブル電源は災害対策として必要か?
ポータブル電源は、災害対策として必要なアイテムです。地震や台風、豪雨、土砂災害などの災害によって送電設備が破損すると、大規模な停電を引き起こします。
停電中は家電が一切使用できず、復旧までに時間を要するほど健康状態は悪化していくでしょう。
ポータブル電源があれば、停電中も普段通りに電化製品を稼働できます。
災害時にポータブル電源が必要ない派の意見は?
災害時にポータブル電源が必要ないと言われる理由は、以下のとおりです。
- 災害による停電がすぐに復旧する可能性がある
- フル充電するまでに時間がかかる
- 容量が大きくて持ち運びづらい
ただし、災害による停電は3日から1週間以上続くケースもあるため、万が一の備えとして持っていると安心です。
容量が大きいほど充電が完了するまでに時間はかかりますが、自然放電率の低いタイプを選ぶと、災害発生時に十分な電力が確保されています。
避難所への避難を想定する場合、容量は抑えて携帯性を重視するとよいでしょう。
ポータブル電源を使ったソーラー発電機とは?
長期間の停電生活や大家族の停電対策を想定する場合、ポータブル電源を使ったソーラー発電機が役立ちます。
ソーラー発電機とは、太陽光発電で生み出した電力をポータブル電源に蓄えておくことで、自由なタイミングで家電に供給できる機器です。
ソーラー発電機があれば、停電生活の途中でポータブル電源が充電切れになる心配はありません。充電切れを気にせず家電をフル稼働できるため、快適な生活が実現するでしょう。
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