子どもの発達や興味に合わせた既製品のおもちゃは沢山ありますが、金銭面や収納スペースの問題があり、子どもが好きなおもちゃを何でも買うわけにはいかないですよね。
本記事では、現役保育士がおすすめする、身近な素材を使った手作りおもちゃの作り方や遊び方を紹介します。
今回使う主な素材は「紙コップ」です。
おもちゃを作る段階から親子で一緒に楽しめる、簡単なおもちゃを10個紹介します。
アレンジ次第で作り方や遊び方も豊富なおもちゃなため、ぜひご家庭で子どもと一緒に作ってみてくださいね。
紙コップを使った手作りおもちゃ
飲み物を飲む時に使う紙コップですが、実は工作次第では子どもが喜ぶ玩具に大変身します。
工程の中には、少し難しいため大人がお手本を見せてあげた方がいい部分もありますが、子どもの年齢や発達に合わせて調整可能です。
紙コップが家にない場合は、100均で簡単に手に入れる事が出来ます。
かわいい柄の紙コップも沢山あるので、種類を使い分けても楽しいですよ!
紙コップけん玉(年少頃~)
【対象年齢】年少頃から
【材料】
- 紙コップ 2個
- タコ糸 30~50㎝くらい
- 折り紙 1~2枚
- ティッシュ 1枚
- セロテープ
- マスキングテープ
- キリ
- マジックペン
- シール
【作り方】
①紙コップの片方にだけ、底の中心部分にキリで穴を開ける
②タコ糸を30〜50㎝くらいの長さに切る(完成後に調整できるので長めの方がよい)
③①で開けた穴にタコ糸を通す
④紙コップの底内側にタコ糸をセロテープで固定する
⑤タコ糸の先にティッシュを丸めて付ける
*ティッシュをつける際は先に内側をテープで固定してから丸めると強度が上がる
⑥ティシュを丸めた上から折り紙を重ねて丸めて、セロテープでぐるぐる巻きにする
⑦もう片方の紙コップと底同士を合わせてセロテープで仮止めし、マスキングテープで固定する
⑧紙コップにシールを貼ったり、マジックペンなどで絵を描いたりして完成
【遊び方】
けん玉と同じように、折り紙で作ったボールを紙コップの中に入れて遊びます。
既製品のけん玉は難易度が高いですが、紙コップだと口が大きいため、年少頃の子どもでも楽しめますよ。
紐が長すぎる場合はタコ糸を紙コップに巻き付けるだけで、簡単に長さ調節できます。
子ども同士でどちらが先にコップに入れるのか競走をしたり、1人でも時間内に何回コップの中に入れることができるのか、紙コップの中に入る最速の記録に挑戦するなど、1人でも複数人でもおすすめです。
今回は205mlの紙コップで作っていますが、紙コップの容量によっては口部分の大きさが異なります。
違う大きさの紙コップを合わせて、一つの紙コップで難易度を調整することもできますよ。
【この工作のポイント】
折り紙はアルミホイルにしたり、キラキラの折り紙にする、マスキングテープでコーティングするなど、お好みでアレンジ可能です。
おもちゃで遊ぶ中で子どもの集中力アップにつながります。
ボールを紙コップに入れる際に上半身だけでなく下半身とのバランスもとろうとするため、自然と体の使い方も上手になることも期待でき、おすすめの手作りおもちゃです。
バランスゲーム~ヒマワリを咲かせよう~(年少頃~)
【対象年齢】年少頃から
【材料】
- 紙コップ 5個
- 折り紙(緑・茶色・黄色)*画用紙やフェルトでもよい
- 両面テープ
- マジック
【作り方】
①折り紙でヒマワリの花を作る
②紙コップの1つにヒマワリの花を貼る(マジックなどで書くのでもよい)
③折り紙で茎と葉を切って、残り4個の紙コップに貼って完成
【遊び方】
1人でも楽しめますが、友だちや兄弟家族と一緒に交互に紙コップを重ねていく共同ゲームを楽しむことができます。
友達との共同遊びの楽しさに気づき始める年中頃になると、同世代の子ども同士でのやり取りも促しやすいでしょう。
同じものを複数作って2〜3人で誰が一番早く積み上げられるかの競争も、盛り上がるためおすすめです。
【この工作のポイント】
年齢によって紙コップの個数を増減させて難易度を調整することもできます。
花や茎は上下が逆になっても違和感がないように作っておくと、後から紙コップの数を増減させやすいです。
崩さないように意識することで集中力や洞察力、思考力の発達が期待できます。
ルールや順番を守ること、ゆっくり慎重な動きを意識することで指先の使い方の促しも期待できますよ。
ぴょんぴょんうさぎ(年少頃~)
【対象年齢】年少頃から
【材料】
- 紙コップ 2個
- 輪ゴム 1個
- 画用紙
- 両面テープ
- マジック
- はさみ
【作り方】
①片方の紙コップの底に対角線上に4つ切り込みを入れる(切り込みの深さは底から5㎜程度でよい)
②①の切り込み部分に輪ゴム1個を交差するようにひっかける
③画用紙でうさぎの顔と手を作り、両面テープで輪ゴムをつけている紙コップに貼り付ける
④何も加工していないもう片方の紙コップに重ねて完成
【遊び方】
うさぎの上部を指で押さえて離し、輪ゴムの力でうさぎ大きく跳ね上げてあそびます。
うさぎ以外の動物でも乗り物でも子どもが好きなもので作って、ジャンプの高さを競走する遊びが盛り上がりますよ。
高さの指標として上部にスズランテープなどを引いておくと、どのくらい飛んだのか目に見えて分かりやすいです。
【この工作のポイント】
年少頃の子どもは自分一人で飛ばすだけでも十分楽しめます。
年中頃の子どもは大人や同世代の子どもと一緒にジャンプの高さを競走して楽しむこともできるようになりますよ。
指先の力の込め方にコツがいるため、どうやったら高く飛ぶのか考える力が育ったり、指先の力加減を促したりすることが期待できます。
紙コップコマ(年少頃~)
【対象年齢】年少頃から
【材料】
- 紙コップ 2個 ※
- ガチャガチャのカプセル 1個 ※
- はさみ
- マジック
※コマに付けるガチャガチャのカプセルの大きさと紙コップの大きさは、大きめでも小さめでも問題なくつきます。ただ、大きい紙コップに小さめのカプセルをつけようと思うと、紙コップを切って調整する必要があるので注意してください。ガチャガチャのカプセルが小さめであれば、紙コップも小さめの方がいいでしょう。
【作り方】
①片方の紙コップの口部分に対角線上に8個切り目を入れて底から5mmくらいまでに切込みを入れる
②切り込み部分を折って広げる
③マジックで色を塗ったり、キラキラのシールを貼ったりして模様を描く
④もう片方の紙コップの底に③を重ねる
⑤下の紙コップの口部分にガチャガチャカプセルの半分をはめて完成
*固定しなくてもピッタリハマりますが、気になる人はマスキングテープなどで固定するものよい
【遊び方】
色々な模様を楽しんだり、紙コップの大きさを変えることで大小様々なコマを作ることができます。
あまり強度は強くないので、ぶつかり合いのようなバトルには不向きですが、大人や子ども同士でコマが回る時間を競うと盛り上がりますよ。
【この工作のポイント】
コマの模様を描く時にどんな模様になるか予想しながら取り組むため、想像力を促すことが期待できます。はさみの使い方も鍛えられますよ。
パクパクアニマル(年少頃~)
【対象年齢】年少頃から
【材料】
- 紙コップ 1個
- ストロー 1本
- マジック
- 両面テープ
- セロテープ
- はさみ
- キリ
【作り方】
①紙コップの底から5mmくらいの所をカッターで切る
*全て切り離さないように注意する
②紙コップの後ろ側(切った底部分と本体が繋がっている側)の口部分から1cmくらいの所にキリで穴を開け、ストローが通るくらいに広げる
③②で開けた穴から、折り曲げる部分が後ろになるようにストローを通す
④突き出たストロー部分を適当な長さではさみで切り、紙コップの底にセロテープで貼り付ける
⑤動物の目を両面テープでつけて、好きな模様を描いて完成
【遊び方】
ストローを動かすと連動して動物の口が開閉します。
さまざまな種類の動物や人物を作って、人形劇ごっこ遊びも楽しめますよ。
工作の家庭はやや難しいため、一緒に作る際は大人がする部分と子どもがする部分を事前に考えておくといいでしょう。
【この工作のポイント】
カッターを使う工程は、扱いが難しく手を切る危険があるため、大人がすることをおすすめします。
子ども同士や大人と一緒にごっこ後遊びをすることで、想像力や言葉でやりといをする力を促すことが期待できます。
クレーンゲーム(年少頃~)
【対象年齢】年少頃から
【材料】
- 紙コップ 2個
- ストロー 1本
- セロテープ
- はさみ
- キリ
【作り方】
①紙コップ2個とも底の中心部分にキリで穴を開け、ストローが通る程度の大きさに広げる
②片方の紙コップの口から底に向けて対角線上に8個切り目を入れる(切り込みの長さは底から5㎜くらいまで)
③切り込み部分を1個空けの等間隔で4か所折り上げる
④折り上げなかった部分をはさみで切り、折り上げた部分を半分くらいのところで折り曲げる
⑤ストローの先端5㎝くらいにハサミで十字に切り込みを入れる
⑥④で切った紙コップの穴からストローを差し込んで、底で切り込み部分を広げてセロテープで固定する
*クレーンのアーム部分でストローを差し込む向きが重要なので注意する
⑦⑥の上からもう一つの紙コップを重ねて完成
【遊び方】
上から重ねた紙コップを持って、ストローを上下させることでクレーンのアームのような動きをします。
ラムネのような小さく軽いおかしやポンポンボール、ストロービーズなど景品はお好みでアレンジ可能です。
今回は紙コップが無地のもので何もデコレーションしていませんが、柄のある紙コップを使ったり、好きな模様を描いたりデコレーションすると工作の過程も盛り上がりますよ。
順番交代でゲームを楽しんだり、複数作って時間内にどれくらいとれるのか競走もできます。
切り込みを入れる数でアームの太さや強度を変えられるため、子どもの年齢に合わせた難易度のクレーンゲームを作って楽しんでください。
【この工作のポイント】
目で見える小さなものを直接手で取るのではなく、物を操作して取るため目と手の強調運動を促すことができます。
ゲームセンターに行かなくても、家で簡単にクレーンゲームを楽しめるためおすすめです。
ケロケロカエル(年少頃~)
【対象年齢】年少頃から
【材料】
- 紙コップ 1個
- 画用紙(折り紙でもOK)
- ストロー(折り曲げられるもの)3本
- セロテープ
- 両面テープ
- マジック
【作り方】
①紙コップの底の中心部分にキリで穴を開けてストローが通るくらいに広げる
②①の穴と直線上になる場所の側面(底から1㎝くらいの位置)左右にキリで穴を開け、ストローが通るくらいまで広げる
③ストローのうち2本だけ5㎝の長さに切る。1本はそのままの状態で13㎝のところに印を入れておく
*ストローを切る、長さを図る時は、折り曲げる部分を含むように注意する
④画用紙に好きな動物の顔と手を描いて切り取り、紙コップの側面に装飾する
⑤動物の顔を一番長いストローに、手を5㎝に切ったストローの先端にセロテープで貼りつける
*ストローは折り曲げ部分を伸ばしておく
⑥顔がついた一番長いストローを外側から①の穴に通す
⑦手がついたストローを②の横の穴に外側から通す
⑧ストローを③で付けた印の部分にセロテープで1本にまとめて完成
【遊び方】
ストローを上下に動かすと、穴とストローの折り曲げ部分がこすれて音が鳴って楽しめます。
おもちゃ自体を楽しめるのは3歳未満児から年少頃ですが、工作過程はやや難易度が上がるため、一緒に作るのは年少以上の子ども向きです。
年齢が上がると完成した人形を使って人形劇をするのも楽しそうですね。
【この工作のポイント】
ストローの代わりに割りばしなどの他の素材を使って見ると、どんな音がするのか想像することを楽しんだり、素材間での音の違いに気づくきっかけになります。
日常のさまざまなことに対して「なんで?」や「こうしたらいいかも」といった思考力を促していくことも期待できます。
ガチャマシーン(年少頃~)
【対象年齢】年少頃から
【材料】
- 紙コップ 3個(1個はあれば透明のプラスチックコップ)
- 折り紙(画用紙)
- ラップ
- はさみ
- ティッシュ
- カッター
- セロテープ
- カラーセロファン
- マジック
【作り方】
①紙コップ1個の側面に丸と四角の印を描き、はさみやカッターで切る
②正反対の側面にも同じ大きさの円を切り抜く
③紙コップの底にも同じ大きさの円を切りぬく
④紙コップの直径よりも2~3㎝長めの正方形に画用紙を切り、正方形の画用紙の中心部分には紙コップに書いた円よりも小さめの四角を切り抜く(四角は長方形でも正方形でも構わない)
⑤④が切れたら紙コップの側面に開けた円に入る大きさになるように画用紙を丸めてセロテープで固定し、紙コップの円に通す
*ガチャガチャの回す部分になる。お菓子などの景品が落ちないように筒の両端に丸めたティッシュを詰めておく
⑥もう一つの紙コップの上に重ねたら、上の紙コップの一番下部分で印をつけて、はみ出した部分をはさみで切る
⑦⑥で切った紙コップを滑り台になるように、はさみで斜めに切る
⑧⑦の紙コップの空洞の部分にラップを巻き、ズレないようにセロテープで固定する
⑨⑧で作った滑り台と⑤の土台部分を合体させて、ズレないように下の部分をセロテープで固定する
⑩3つ目の紙コップの底に今まで切り抜いた円と同じ大きさの円を描いて、はさみかカッターで切り抜く
*お菓子が入るコップなので、あれば透明のプラスチックコップの方がよい
⑪透明ではない紙コップの場合は窓をはさみで切り抜いて、カラーセロファンを貼ると中身が見えるようになってワクワク感が出る
⑫⑪の底と土台の底を合わせてマスキングテープで固定したら完成
【遊び方】
お菓子など好きなものを入れて、ガチャガチャを楽しんでください。
紙コップのサイズを大きめのもので作ると、入れられるものの幅が広がります。
出てきたお菓子を受け止める容器がないため、そのままだとおかしがバラバラになってしまいます。
お皿やタッパーのような深さのある容器の中でガチャガチャをするのがよさそうです。
ピッタリサイズの受け皿を作るのもいいですね。
【この工作のポイント】
お金の投入口は作っていませんがおもちゃのお金を使って1回〇円と決めてお店屋さんごっこをすると、店員とお客の役割交代を楽しみながら順番交代の練習ができます。
年長児頃には簡単なお金の勉強もできて、日常生活で必要な知識を増やすことにも繋げられるため、おすすめです。
ガチャガチャを回すときには指先の微細な運動も刺激できますよ。
ぽんぽんクラッカー(年少頃~)
【対象年齢】年少頃から
【材料】
- 紙コップ 1個
- 輪ゴム 1本
- 割りばし 1本
- えんぴつ
- アルミホイル
- はさみ
- セロテープ
- マスキングテープ
- マジック
- ポンポンボール
【作り方】
①紙コップの底の中心部分にキリで穴を開ける
②口部分に対角線上に8個、1㎝の切り込みを入れる
③切り込み部分をえんぴつを使ってカールさせながら折り返す
③割りばしを割って、片方の先端1㎝をはさみで切る
④③の割りばしに輪ゴムを結び付ける
④割りばし部分がコップの内側になるように、キリで開けた穴から輪ゴムを通す
⑤輪ゴムにアルミホイルのボールをつけて完成(お好みで紙コップをデコレーションする)
*先に長細くして置くと丸めやすい
【遊び方】
100均で購入できるポンポンボールやストロービーズ、小さく丸めた折り紙などを紙コップに入れて、輪ゴムを弾くと、軽快な音と一緒に中身が弾け出します。
遊びの中だけでなく、お誕生日会などのパーティーの時に火薬を使ったクラッカーの代わりに安全に楽しめるため、おすすめです。
【この工作のポイント】
本物のクラッカーほどではありませんが、予想以上に大きな音が出るため、急にするとびっくりする可能性があります。
「3・2・1」とカウントダウンして複数人で一緒にクラッカーを鳴らすと、友達と一緒にタイミングを合わせる協調性を促すことが期待できます。
クラッカーで遊んだ後はお片付けもみんなで協力することで、使ったものをきちんと片付ける練習もできますよ。
空飛ぶ飛行機(年少頃~)
【対象年齢】年少頃から
【材料】
- 紙コップ 2個
- 輪ゴム 7本程度
- セロテープ
- マスキングテープ
- シール
- マジック
【作り方】
①紙コップの底同士を合わせて、マスキングテープで固定する
②紙コップにマジックやシールなどでお好みの模様を描く
③輪ゴムを交差させながら、つないで1本にする
④片方の手で輪ゴムを抑えながら、紙コップに輪ゴムを巻き付けて完成
【遊び方】
輪ゴムを十分に引き伸ばせたら、押さえている指を離すと、紙コップ自体がくるくると回りながら飛んでいく。
単純に飛行距離を競ったり、ゴールの目標を設定してそこに向けて飛ばすなど遊び方は様々です。
輪ゴムの長さや引く強さを色々試しながら実験することもできます。
【この工作のポイント】
遠くまで飛ぶ軌道が不規則で予想しにくいため、屋外で遊ぶようにしましょう。
室内で遊ぶ場合は体育館など十分なスペースを確保できる場所を選んでください。
飛行機自体の飛ぶ勢いはそこまで急ではありませんが、輪ゴムが跳ね返って目にあたると怪我の危険があるため、複数の子どもで一斉に飛行機を飛ばす場合は「人に向けて飛ばさない」など約束をの事前にして、大人が目を離さないように注意してくださいね。
飛行距離を出すにはどうしたらいいのかなど、考える力、創意工夫するイメージ力を促すことができます。
また、危険の無いように遊ぶために約束を約束を守る意識や、「こうなったら危険かも」という危機管理の気持ちにもつなげることができます。
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紙コップを使った手作りおもちゃの中でも「糸電話」や「ロケット」など、よく知られているおもちゃ以外で、工作の段階から一緒に楽しめる手作りおもちゃを10個紹介しました。
今回紹介した以外にも面白いおもちゃが沢山ありますし、遊び方や作り方のアレンジも豊富にあります。
ぜひご家庭で子どものアイディアを引き出しながら、作って遊んでください!
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