タンパク質・脂質・ビタミン・ミネラルといった様々な栄養素を多く含み、味も美味しい”卵”。
中でも“ゆで卵”は、茹でるだけで手軽に美味しく卵が食べられる調理方法です。
フライパン等で焼く調理方法と異なり油を使わずヘルシーで、ダイエットにもぴったり。
殻を付けたままなら、出先でも箸を使わずに食べられるので便利ですよね。
そんな便利なゆで卵。一気に茹でて作り置きすればラクですが、
「そういえば、ゆで卵の賞味期限って何日持つんだっけ…?」
と思ったことはありませんか?
間違った保存方法では、せっかくの美味しいゆで卵も台無しに。もしも傷んだゆで卵を食べてしまうと、体調を崩してしまう可能性もあります。
今回はゆで卵の日持ち・賞味期限について、正しい保存方法について管理栄養士監修のもと紹介します。
ゆで卵の日持ちを長くする方法や、ゆで卵を使った便利な作り置きレシピも紹介しますので、ぜひ最後までご覧ください!
ゆで卵の日持ちは?正しい保存方法は?
“生卵”より”ゆで卵”の賞味期限は短い
卵を買うと、パッケージに記載されている賞味期限。
この期限は、「安心して生で食べられる期限」を示しています。
生卵はパック後より2週間(14日)程度が賞味期限となります。
常温での保存も可能と言われていますが、サルモネラ菌等の菌の増殖を防ぐために、10℃以下の環境での保存が望ましいです。
しかし、ゆで卵など一度熱を入れ調理した卵の方が賞味期限は短くなり、基本的には数日中に食べきる必要があります。
ゆで卵の賞味期限と保存方法
ゆで卵を作り置き等する場合は、必ず硬めに茹でるようにしましょう。
冷蔵庫で殻付きのまま保存すれば、3~4日間ほど日持ちします。
殻を剥いた場合には、その日のうちに食べるようにしましょう。
もし、いつヒビが入ったかわからないものがある場合には、雑菌が繁殖している可能性があるため食べるのは避けて廃棄しましょう。
ちなみに、茹でている最中に殻にヒビが入ってしまった場合は、そのまま保存すると雑菌が繁殖してしまう可能性があるため殻付きのままでは保存しないようにし、殻を剥いてその日のうちに食べるか、この後紹介する方法で”味付け卵”にして保存しましょう。
基本的には殻を剥いたままのゆで卵は日持ちしないので、保存には注意が必要です。
またゆで卵の茹で加減として「半熟卵」を好む人も多いですが、半熟の場合には日持ちはしないので、調理したその日のうちに食べ切るようにしてください。
生卵の方が長く保存できる理由
一般的には、生の状態の食べ物よりも茹でるなどして火を通した方が保存が効くと考えてしまいますが、なぜ卵の場合にはゆで卵よりも生卵のほうが長く保存できるのでしょうか?
それは卵白に含まれる「リゾチーム」と呼ばれる抗菌作用を持つ酵素のお陰で菌の繁殖を防いでいるのです。しかしこのリゾチームは、茹でてしまうと働きを失い抗菌作用も効かなくなってまいます。
そのような理由から卵は、ゆで卵よりも生卵のほうが長く保存することができるのです。
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→電気代を節約するおすすめの方法はこちらひと手間かけて日持ちアップ!&料理にも使いやすく
殻を剥いたゆで卵でも、味付け・調理をすることで日持ちアップ!
また、味付け卵を料理に用いることで、味付けが楽になったり、深みのある味わいになることも。
「塩たまご」または「味たま」に
ゆでたまごに味付けして「塩たまご」または「味たま」にすることで、賞味期限をより長くさせることが可能です。
殻付きゆで卵が3~4日程度のところ、味付けしたゆで卵は冷蔵庫で4~5日間日持ちします。
味付け液に漬け込みながら保存するので、作ってから時間が経てば経つほど、卵にしっかり味が染み込みます。
味付けしたゆでたまごはそのまま食べても美味しいので、食卓やお弁当の「もう1品」にも便利。
お弁当に使う場合は、黄身もしっかり火を通して硬めに茹でましょう。
半熟だと、お弁当の中で傷んでしまう恐れがあるので注意してください。
塩ゆでたまごの作り方
塩水に一晩漬けるだけで、程よい塩味のゆで卵に。
- 卵をお好みの硬さに茹で、ゆで卵を作ります。
- ポリ袋や保存容器に、水100mlに対して小さじ1の食塩水を作ります。
- 2に殻をむいた1を入れて、冷蔵庫で一晩置いたら完成です。
味たまの作り方
調味料を混ぜた液に付けておくだけで、本格的な「味たま」に。
- 卵をお好みの硬さに茹で、ゆで卵を作ります。
- ポリ袋や保存容器に、味付け液【砂糖・みりん・醤油…各大さじ2を混ぜたもの】を用意します。(味付け液はバリエーションがあるので、お好みの味付けを探してみてくださいね。)
- 2を混ぜて、一度しっかり沸騰させてみりんのアルコール分を飛ばして、粗熱を取ります。
- 3に殻をむいた1を入れて、2~3時間冷蔵庫に入れて漬け置いたら完成です。
いずれもチャック付き袋で作るのがオススメ。
空気を抜いてチャックを閉めれば、少ない量でも卵全体を液に漬けこむことができますよ。
基本のたまごサラダを作り置き
ゆで卵と調味料だけで作る「基本のたまごサラダ」。
たまごの風味が濃厚な、シンプルながら満足感の高いサラダです。
このサラダをトーストにのせたり、パンに挟んだりすれば、定番の「たまごサンド」や「たまごトースト」が完成。
このサラダにお好みの具材――茹でた芋や野菜、マカロニやベーコン等――を加えて、サラダのアレンジを楽しむのもオススメです。
基本のたまごサラダの作り方
材料
- ゆで卵…1個
- ★マヨネーズ…大さじ1.5
- ★酢…小さじ1/3
- ★塩コショウ…少々
手順
- ゆで卵をフォークやスプーンでお好みの粗さまで潰します。スライサーやマッシャーを使っても◎
- ★の調味料を加えてよく混ぜ、完成です。
日持ちの目安は”作った翌日中まで”。
殻付きゆで卵や味たま等に比べ日持ちは短いですが、卵1個からでも簡単に作れるレシピなので、食べたいときにササッと作ることが可能です。
大量に作る場合は、調理後すぐに冷凍することで、1ヶ月ほど保存することができます。
ゆで卵は味のついていないものを想定していますが、「塩たまご」や「味たま」を用いても◎ その場合は調味料を少なめにし、味見をしながら完成させて下さい。
「味たま」を使えば、和風・中華風などいつもと違う味わいが楽しめますよ!
ゆで卵は冷凍保存が可能?
ゆで卵のまま冷凍は美味しくない
ゆで卵は冷凍保存することが可能です。
冷凍保存であれば1ヶ月ほど保存することができます。
しかし、ゆで卵のままで冷凍保存したものは、水分が抜けて白身の部分がゴムのように固い食感になってしまい、美味しさが大きく低下するためおすすめできません。
半調理してから冷凍がおすすめ
しかし、前述した「たまごサラダ」の場合にはマヨネーズが使用されているため、その油分の効果によって水分が失われにくくなり、解凍後の品質の低下はそれほど感じずに食べることができます。
卵を買いすぎてしまった、長期間家を不在にするのに卵の賞味期限が迫っている、という時には、「たまごサラダ」のように半調理してから冷凍で保存するのがおすすめです。
解凍の際は、加熱をせずに自然解凍か、冷蔵庫での解凍が良いでしょう。解凍後はすぐに消費するようにしてください。
生卵の冷凍はおすすめできない
ちなみに、生卵の冷凍保存についてはおすすめできません。
生卵を冷凍すると中身の水分の膨張により殻が割れてしまいます。
そして解凍時は、白身は解凍されるものの黄身の部分は脂質を含むタンパク質が分解されてしまうため固まったまま元に戻りません。
ゆで卵を使った簡単レシピ5選
ゆで卵を使った、簡単レシピをご紹介します。
毎日の食事に使えるだけでなく、作り置き・お弁当おかずにもぴったりなレシピも!
たまごサラダをのせるだけ!簡単たまごトースト
たまごサラダを食パンにのせてトーストするだけの簡単レシピです。
朝、時間のないときや、「作るのは面倒だけどしっかり食べたい」なんてときにピッタリ。
サラダの具材やトッピング等、好みに合わせてアレンジできるのも楽しい一品です♪
材料(1人前)
- 食パン…1枚
- 基本のたまごサラダ…卵1個分
- (お好みで)パセリまたはコショウ…少々
作り方
- 食パンは表面が乾くまで軽くトーストします。
- 基本のたまごサラダを1にのせます。お好みでチーズ等をトッピングしても◎
- 再度、食パンのふちがこんがりするまでトーストします。お好みで、仕上げにパセリまたはコショウをかけたら完成です。
野菜たっぷり、キャベツとゆでたまごの彩りサラダ
野菜とソーセージを使った、彩り豊かで満足感のあるサラダです。
今回は旬のキャベツを使いましたが、お好みの違う野菜で試しても美味しいですよ。
卵と一緒に、旬の野菜がたくさん食べられる一品です!
材料(2〜3人前)
- キャベツ…約150g
- ゆで卵…1個
- ソーセージ…2本
- ★マヨネーズ…大さじ2
- ★塩コショウ…適量
作り方
- キャベツは一口大に切り、600Wの電子レンジで2分半温めます。(※ワット数に応じて、加熱時間は調整して下さい。)
- ソーセージも一口大に切り、フライパンで焼色がつくまで加熱します。魚肉ソーセージ等加熱不要のものを使う場合、切るだけでもOKです。
- ボウルに1と2、ゆで卵を入れます。ゆで卵をフォーク等で潰しながら、材料をよく和えます。★の調味料を入れてよく混ぜたら完成です。
お弁当のおかずにもオススメ!ゆで卵の肉巻き
ゆで卵に豚肉を巻き、甘しょっぱく味付けた一品。
ご飯がすすむ味付けで冷めても美味しいので、お弁当おかずにもオススメです!
食卓でいただく場合は、半熟に茹でて作るのもオススメ。
トロっとした黄身と、甘しょっぱい豚肉の相性がバッチリです♪
材料(1〜2人前)
- ゆでたまご…2個
- 豚バラ肉…4枚
※豚こま肉でも代用可能。大きめの薄切り部位を使用する。 - 塩コショウ…少々
- 片栗粉…適量
- ★醤油…大さじ1/2
- ★みりん…小さじ1
- ★砂糖…大さじ1/2
作り方
- 豚肉を広げて、塩コショウを振っておきます。
- 豚肉2枚を少し重ねるようにして並べ、ゆでたまごを巻きます。全体に片栗粉をまぶしましょう。
- 油をひいて熱したフライパンで、”2”を焼いていきます。全体に焼き色がつくように、たまに転がしましょう。
- 肉全体に火が通ったら★の調味料を加え、汁気がなくなるまで熱して完成です。
ボリュームたっぷり!かぼちゃのデリサラダ
マッシュしたかぼちゃと卵のサラダは、ボリュームたっぷりで腹持ちも◎
さらにベーコンをいれることで、ほのかな塩味がアクセントに。
かぼちゃは今回皮付きで作りましたが、舌触りが気になる方は皮を剥いて作りましょう。
ちょっとオシャレな食卓にしたいときにもおすすめの一品です。
材料(2~3人前)
- かぼちゃ…1/4個
- ゆで卵…2個
- ベーコン…1パック
- ☆砂糖…小さじ1
- ☆塩…少々
- マヨネーズ…大さじ2
- (お好みで)ブラックペッパー…少々
作り方
- ベーコンを約1cm幅に切り、フライパンで焼き色が着くまで焼いておきます。
- かぼちゃを1口サイズに切り軽く湿らせて、耐熱容器に入れたら600Wの電子レンジで3~4分加熱します。(※ワット数に応じて、加熱時間は調整して下さい。)
- 2のかぼちゃをフォークやスプーン等で潰します。潰し具合は、軽く食感が残る程度がオススメです。
- 3に☆の調味料を入れ、よく混ぜます。
- 4にマヨネーズ、ゆでたまごをフォーク等で潰しながら入れてよく混ぜます。基本のたまごサラダを代わりに入れても◎
- 最後に1を入れてさっと混ぜます。お皿に盛り付けたら完成です。
作り置きなら盛り付けるだけ!韓国風そぼろ丼の味たまのせ
韓国風の甘辛いそぼろと、味たまの相性がピッタリな丼メニューです。
今回はそぼろの味付けに合わせて、ごま油を使った味たまをのせました。
味たま・そぼろ共に作り置きが可能なので、作り置しておけば、ごはんに盛り付けるだけで完成するかんたんレシピです♪
今回は味たまを使用しましたが、ない場合は普通のゆでたまごでも代用可能です。
材料(2~3人前)
- ごはん…茶碗1杯〜どんぶり1杯
〜韓国風そぼろ〜 - 豚ひき肉(合い挽き肉でも可)…約250g
- 長ネギ…1/2本
- □しょうがチューブ…約2cm
- □にんにくチューブ…約2cm
- ★醤油…大さじ1.5
- ★砂糖…小さじ1
- ★コチュジャン…小さじ1
〜味たま〜 - ゆで卵…2個
- ☆醤油…大さじ1.5
- ☆砂糖…大さじ1
- ☆ごま油…大さじ1/2
作り方
- 【味たまの準備】☆の材料を混ぜ、殻を剥いたゆで卵を一晩漬け込みます。
- 長ネギは小口切りにしておきます。
- 熱したフライパンに油を引き、□を入れて香りが立ってきたら、豚ひき肉を中火で炒めます。
- 全体的に火が通ったら、長ネギを加えます。長ネギがしんなりしてきたら★の調味料を加えて更に1分程度炒めます。
- 弱火にして、汁っぽさがなくなるまで煮詰めたら、そぼろは出来上がり。
- ごはんの上にそぼろ、半分に切った味たまを乗せたら完成です。
ひと手間かけて、ゆで卵を”長く美味しく”!
美味しくて栄養価も高い「ゆで卵」。
殻を剥いたままの状態では雑菌の繁殖リスクがあるため日持ちしませんが、保存方法に気をつけることで3~4日は日持ちさせることができます。
そして、ゆで卵を味付けして保存することで、更に長く美味しく日持ちさせることが可能です!
とっても手軽で、日々の調理の時短にもなるので、ぜひ試してみて下さいね。
コメント
ゆで卵の保存を長くする方法がわかり、レシピもいくつか掲載されていて参考になりました。
ゆで卵は冷凍できないと思っていましたが、卵サラダにして冷凍するのは思いつきませんでした。参考にします。